柚香光(ゆずか・れい)さんと鈴木拡樹さんが、お互いの印象や、プライベートで今ハマっていることを語り合いました。

「2025年劇団☆新感線45周年興行・初夏公演 いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』」で主演を務める柚香さんと、共演の鈴木さん。

柚香さんは宝塚歌劇団花組の元男役トップスターで、華やかなスター性とダンスで魅了しました。2024年5月に退団した後は、コンサートやショーを中心に活躍し、演劇としては本作が退団後初舞台となります。

鈴木さんは『最遊記歌劇伝』や舞台『刀剣乱舞』シリーズで人気を博し、舞台のみならず映像やアニメ声優などでも活躍。劇団☆新感線には『髑髏城の七人 Season月《下弦の月》』(2017~2018年)以来、2度目の参加です。

そんな2人が『紅鬼物語』で初共演。鬼と思われる者に妻・紅子(柚香)と娘をさらわれた源蒼(鈴木)は、10年の時を経て手がかりを得ると、従臣たちとともに鬼の棲家へ。しかし、そこには哀しい因果があり…平安時代を舞台にした“新感線流お伽噺(とぎばなし)”です。

めざましmediaでは2人に、作品や劇団☆新感線(以下、新感線)の印象のほか、まるで“真逆”な稽古中の過ごし方、今ハマっているという「未来についての動画鑑賞」と「お笑い」について、たっぷり聞きました。

柚香光 劇団☆新感線の「男前な進行」に驚き!

――柚香さんは新感線に初参加ですが、雰囲気はいかがですか?

柚香:緊張感はありながらも、みなさんの空気がとてもあたたかく、ありがたい気持ちです。最初のビジュアル撮影から本読み、製作発表…いつも優しく接してくださるので、みなさんとご一緒できるのがうれしいです。

――何か驚いたことや発見はありましたか?

鈴木:何かありました?たとえば“巻き”で自己紹介をするとか?

柚香:そうですね、顔合わせでの自己紹介のテンポがすごく早くて、軽やかでした。

鈴木:なじみの役者とスタッフが多いので、割愛するんですよ。

柚香:本当に早かったです。“男前”な進行でした(笑)。自分の番がきて「緊張する」と思ったらもう次の方に進むので、その緊張感もなんだか楽しかったです。

鈴木:宝塚では、稽古初めはどんな感じで自己紹介をするんですか?

柚香:常に同じ組のメンバー80~90人で作品をつくっていくので、演出家の方などがご挨拶して作品についてお話しになり、主演の者が一言あいさつして、という感じです。

鈴木:そうなんですね。

――『紅鬼物語』の台本を読んだ感想を聞かせてください。

柚香:もう面白くて夢中で読みました。ちょっと生々しくてダークで、ゾワゾワするようなホラーな描写もあって、心臓がキュッとひねられるような感覚もありました。“人と鬼”がテーマのお伽噺ですが、ただ善悪で分けるのではなく、人間の弱さ、欲、悪どさ、葛藤など、いろいろなものが絡み合って描かれているので、とても引き込まれました。

鈴木:台本が届いてまず思ったのが、「この本の厚みは、何時間作品だろう」ということ(笑)。新感線は公演時間が長い作品が多いので、その分、台本のボリュームも多いです。それでも毎公演、完成度が高くて素晴らしいと思います。

今回は“人と鬼”がテーマではありますが、柚香さんと僕が演じる、紅子と蒼夫婦だけではなく、さまざまな“家族”についても描かれています。ですから、お客さまには、ご自身に近い立場のキャラクターの視点から観ていただくのも面白いと思います。

演出・いのうえひでのりさんによる恒例の“千本ノック”について鈴木さんに聞いてみると…?さらに、お互いの印象を尋ねると、思わず笑ってしまう掛け合いが。稽古場での“食事場”の違いも明らかになりました。