――りくりゅうの活躍に嫉妬したことがあるという質問に、「△」と回答されましたが
難しい問題ですな~。
あの…嫉妬ではないんですけど…、ずっと応援はすごいしている。これは理性だったり、8割は応援しているんですけど、やっぱり、りくりゅうペアが活躍し始めた頃ですね、北京五輪の後に世界選手権で銀メダルを取ったんです。
私、ずっと十何年も前に世界選手権で銅メダルを取っていて、そこを超えられた時…(そのときまで)銅メダルが最高だったの、日本で。それが銀に塗り変わったあの瞬間に、理性ではおめでとうと思っているのに「あ、超えちゃったか…」って。

「嫉妬ではないんですけど」と、思わず立ち上がり熱弁

――今回の金メダルはいかがでしたか?
これはもう重要なポイント!(世界選手権)銀とかそういう時にもう乗り越えているんです。なぜならば、私はペアが好きで(スケートを)始めたんです。日本ではあまり(ペアを育てる)環境がない中で、なんでこれまで無理をしてやったかというと、それだけペアが好きで魅了されたから。
あるとき解説しながら気付いたんです、もう(世界選手権で)銀メダルを取ったときに。「あれ?りくりゅうペアの…ペアにひかれているぞ?自分」って。
私が小さい頃、どんなに環境に恵まれていなくても、思い憧れたペア競技、そのペアスケートをしているというところに気付いて、そこからは応援しました。
あと、ちょっと“嫉妬っぽかった”っていうのは、元パートナーをしていて、どうしても(自分たちが)そこまで行けなかったから、なんか…自分が悪かったのかな?とか、龍一に対しての力…私が引っ張る方だったんですけど、「もっと引っ張れていたら」と悩みはしました。
“運送”、何なら私がした方が良かったのかな。

――でもそれを超えての「宇宙一」「すごいすごい」という言葉
本当に成長しましたよね~。うれしくて気を失いそうでした。
(最後の解説)それまでは、感情的になってしまうだろうという予感もあったので、思いが強い分。だけどこの大舞台、二人がせっかく頑張っているんだから、しっかり解説しなきゃとはじめから少し言葉を少なめに選んで、冷静に解説することを心がけていたんです。でもやはり最後のスロートリプルループという投げる技が決まったときから、私立ち上がっちゃったんです。立ち上がって、資料とかも全部下に置いたままになっちゃって、感情がそのまま全部出ちゃいました。

岩田明子氏:
もう本当に、泣いちゃいましたけど、これはもう高橋さんの名解説。見せるところは無言になられて、私たち(視聴者)が競技に集中するわけです。そしてその後「すごい、すごい」という言葉で、さらに吸い込まれていったので、高橋さんの解説とセットで、ずっと私の記憶に残っているんです。

高橋成美さん:
今の言葉すごくうれしくて、それは本当に7年間努力を続けて研究していた部分だったから、私の7年間…今報われました。

“ペアあるある”「笑っちゃうほどケンカする」

同じ食事メニューにしたり、持ち物を合わせたりと、何かと“シンクロ”させがちな、りくりゅうペア。

高橋さんはペアを組んでいるときに、持ち物を合わせるなどはなかったものの、生活のリズムが同じだったことから、休日同じタイミングでジムを訪れたり、ドアを開けるタイミングがかぶったりと、不思議な“シンクロ”の瞬間が何度もあったといいます。

高橋成美さん:
(ペアを組んでいると)シンクロしてくるんですよ、これは本当に不思議ですが、事実たくさんあります。
これが、やはり大きな舞台ですごく役に立つんです。何が起こるか分からないけれど、その起こらないミスでさえも、一緒のタイミングで起こしたらそれはミスではなくなりますから。日頃の積み重ねが大事なところに生きるので、一見「え?そんなこと?」と思うかも知れませんが、本当にこの積み重ねが大切になってきます。

――そんなにシンクロしていたら、逆にぶつかって仲が悪くなったりすることはないんですか?
ありますね、りくりゅうペアは本当に笑っちゃうほどしょっちゅうケンカするんですが、笑っちゃうほど早く仲直りをするんです。だから、ぶつかり合いが怖くなくなる。

――どちらが仲直りの橋渡しをしているんですか?
これが、面白いくらい“フィフティーフィフティー”なんです。どちらかではないんです。