大西流星(なにわ男子)さん、 原嘉孝(timelesz)さんがダブル主演を務める『東海テレビ×WOWOW 共同製作連続ドラマ 横浜ネイバーズ』は、ある事故で父親を亡くし、心に深い影を抱えた青年と、そんな彼を見守り続けてきた、年の離れた幼なじみの刑事。そして、友人や新たに出会う仲間たち「ネイバーズ」による、「未来への希望」を描くヒューマンミステリー。 

<コラム>『横浜ネイバーズ Season1』第3話

テーマ「ロン役に大西流星くんが起用された理由について考える」

それはなぜか?このドラマが、現代を生きる人々の“リアル”を描いているからにほかならない――(しばらくめんどくさい文章/口調が続きますが、お付き合いください)。

本作において特筆すべきは、男性・女性という従来のジェンダーバイアスにとらわれないキャラクターが、ごく自然に、そこに存在している点だ。今回の第3話でいうところの、ロンの友人でありラッパーの凪(紺野彩夏)は、女性が好きだということなのだが、それについて物語はことさらに取り上げようとはしない。なぜなら、異性愛こそが“標準”であるという価値観はもはや形骸化しており、その是非をあえて強調すること、それ自体が、今の時代においてはナンセンス。不自然なノイズになり得るのだ。

そんなボーダーレスな世界観を象徴する存在として、性別を超越した中性的な魅力を放つ大西流星くんを主人公に据(す)えたことが、本作のコンセプトを決定づける極めて正解に近づく、キャスティングだったのだ。

そして、そんなキャスティングの必然性を確信させたのが、今回の、失踪したインフルエンサーを捉えたラストシーン。「なれたんですね?……“本物”の美人」という、あのセリフだ。驚くべきことに、あの言葉には、異性としての“色気”が微塵も介在していなかった。もし、あのセリフに、演者の“雄々しさ”や“媚(こ)び”が含まれていたならば、それは単なるラブストーリーにおける“萌え”や“胸キュン”という、安易な消費対象に成り下がっていたに違いない。

だがしかし、大西流星くんが演じた、あのロンの言葉は、邪念のない純粋な真理として真っ直ぐに言葉が響く――あのセリフを、記号的な「カッコよさ」に依存せず、フラットかつ誠実に放てる役者は、彼をおいてほかにはいない。これこそが、大西流星くんが、ロンとして存在しなければならなかった、最大の理由なのである。