和田雅成 崎山つばさの稽古好きは「才能だと思う」
――ストーリーにからめての質問ですが、同じ人を好きになってしまったらどうしますか?
和田:相手に任せるしかないんじゃないですか。例えば、つばさくんがその子にアタックして、相手もつばさくんのことを好きになったのであれば、もうそれがすべて。僕のほうから
押しまくるようなことはないと思います。
崎山:相手の性格にもよるんでしょうけど、僕は負けず嫌いなのでグイグイいっちゃうかもしれない。例えば、その子が「猫が好き」って言ったら、雅成は猫を飼っているから、そこで明らかに僕の負けとなるけれども…。
和田:僕の良さは、猫を飼っていることなんだ(笑)。
崎山:そしたら、僕も猫を飼って、何としてでも相手の気を惹こうとします。
和田:今はそういう人のほうが求められているのかも。
――恋愛においてはリードしたいですか?されたいですか?
和田:どちらがリードするとかしないとか、その概念はないですね。どちらかが手綱を握っちゃうと、いつかしんどくなるときが来ると思うんですよ。向こうが「リードしてほしい」というのならそうしますし、「リードしたい」というのならそうするかな。(崎山に向かって)100%リードするでしょ?
崎山:ハハハ(笑)。そうですね。相手のタイプにもよりますけど、僕は髪型とかも変えてほしくなっちゃうんです。
和田:へーっ。
崎山:僕も変えるし、相手に対しても「短いのも見てみたいなぁ」と言ってしまう。ちょうどいい言葉が見つからないんですけど、そんなタイプですね。
――今作では劇中、手紙がキーアイテムとして登場しますが、手紙にまつわるエピソードがあれば聞かせてください。
和田:大阪から上京したばかりのころ、母がお米などを送ってくれていたんですけど、そこに僕の体を気遣った内容の手紙が必ず添えられていて、それは今も大事にとってあります。
もちろん、作品を観ていただいた方や応援してくださる皆さんからいただく手紙も大事ですが、家族は特別な存在なので。
崎山:雅成とはちょっと違う話になってしまうのですが、一人暮らしを始めたころに実家から小包が届いて…。
和田:もう(オチが)見えたよ(笑)。
崎山:母親からの手紙が同封されていたのですが…。
和田:まだ続きがあった。ごめん、止めちゃいけなかった。
崎山:直筆の手紙はとっても大事なもので…。
和田:同じだよ!
崎山:あ、同じだった?「以下同文」って書いてください(笑)。
――今回の共演で気づいた、互いの新たな魅力はありますか?
和田:難しいな。
崎山:10個言って。
和田:顔がいい。
崎山:ビジュアルかよ!
和田:つばさくんって本当に稽古が好きなんだと実感しました。「稽古が好き」という言葉が合っているのかわからないけれど、そこに向き合う時間が長かろうがまったく苦じゃないんだなって。
それって役者にとってすごく必要な才能だと僕は思っていて、「ここはどうしたらいいですか?何時になってもいいのでやってください」と白井さんにお願いしている姿を、「この才能はすごい」と思いながら見ています。
崎山:雅成とは以前にも共演経験があって、そこでは作品について話し合う時間もありましたが、ここまでガッツリ話し合う機会をもつのも初めてのことなので、熱い演劇の話とか、彼がイヤだなと思っているときでもやりたいなって(笑)。
和田:イヤだとか全然思っていないし(笑)。
崎山:しつこいなって?
和田:思わない、思わない。「あのシーンなんだけどさ」という話をどんどんしたいです。そうして迎える本番が楽しみですね。
撮影:河井彩美
エウリディケ
【東京公演】2月4日~18日/世田谷パブリックシアター
【大阪公演】2月24日、25日/梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ