和田雅成さんらが、珠玉の会話劇を届けます。

舞台「燕のいる駅-ツバメノイルエキ-」が9月23日に東京・紀伊國屋ホールで開幕するにあたり、報道陣向けプレスコールと会見が同日、同劇場にて行われ、主演の和田さんのほか、共演の高月彩良さん、久保田磨希さんらが登場しました。

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本作は劇作家の土田英生(MONO)さんが1997年に書き下ろした戯曲で、これまで多くの団体により、上演されてきた作品。今回、脚本を大幅にブラッシュアップし、土田さん自らが演出を手がけます。

左から)高月彩良、和田雅成、久保田磨希

<話題作連続主演の和田雅成「いつ人生が終わってもいいように、その日を生きたい」>

物語は、埋め立て地に位置するテーマパークの最寄り駅「日本村四番」が舞台。駅員と売店で働く女性、その友達、電車に乗り遅れた会社員らが集い、ごくありふれた穏やかな時間が流れるも、一向に電車が来ず、さらに、彼ら以外にまったく人の気配がないことから、不穏な空気が漂い始めるというストーリー。

主人公の駅員・高島啓治に和田さんが扮し、とある駅へ置き去りにされた人たちの会話劇を演じます。

和田雅成「テンポの違い」に苦戦するも、演出家から太鼓判が!

初日を目前に迎え、和田さんは「無事にみんなで初日を迎えられそうなので、千穐楽まで誰一人欠けることなく、走りきることだけを目標に頑張りたい」と気合い十分。

久保田さんは「私は長く舞台をやっているんですけれども、罵声を浴びない、心を折られない、追い込まれない穏やかな稽古場は初めて。衝撃が走る思いで今日を迎えています」と稽古場の雰囲気の良さを明かしました。

和田さんの座長ぶりに話がおよぶと、久保田さんは「演じるうえでも、演技以外のところでも細かく気遣える人。舞台上のすべてを俯瞰でみることができつつ、自分の芝居もちゃんとみることができ、芯があって、すごい人に出会った。なんかお母さんみたい(笑)」と和田さんの懐の広さを表現。

しかし、「ここにきて、ちょいちょい“ブラック和田”が出てきたので、それを楽しんでいる。最高の座長です!」とニヤリとしました。

座長振りをベタ褒めされ、照れ笑いを浮かべる和田雅成(中央)

高月さんは「磨希さんの言葉をお借りする思いなんですけど(笑)、和田さんは気遣いの素晴らしい方で、稽古場で誰かがボケたり、ハプニングが起きたりしたときに、誰も傷つけずに拾ってツッコんでくれる。温かい空気が流れたのは座長のおかげ」と稽古を回想。

土田氏は「演出家から要望を出すとき、俳優が嫌な気持ちになっているんじゃないか、とその加減が難しいのですが、そんなときに和田くんは誰よりも返事がデカい。ともすれば、空気が悪くなりそうなときでも『はい!わかりました』と大きな声で答えてくれて、素晴らしい座長でした」と振り返りました。

役作りでこだわった点を聞かれると、和田さんは「僕が演じる高島は『のんびりさん』というあだ名をつけられるぐらい、のんびりした性格。僕自身は生きているテンポが速い人間なので、土田さんにその部分を相談したとき『今のテンポでいいから、意識しつつやっていこう』とアドバイスされました」。

そんな稽古を重ね「先日、通し稽古を終えた後に土田さんが、『今日はまぎれもなく(役柄の)高島だった』という言葉を僕にくださったんです。それで自信がついたので、毎日ブラッシュアップしながら、高島として生きていきたい」と意気込みました。

最後に、公演を楽しみにしている観客へ向け、和田さんからメッセージが。「人って、日によって心のコンディションが違うと思うんですけど、この『燕のいる駅』はどんなお客様にも寄りそって、その日を頑張ることができる作品だと思うので、土田さんが描いた世界観をしっかりと届けたい。劇場でお待ちしております」と呼びかけました。

「燕のいる駅-ツバメノイルエキ-」

【東京公演】9月23日(土・祝)~10月8日(日)紀伊國屋ホール

【大阪公演】10月14日(土)松下IMPホール

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