山下美月インタビュー 船上のお気に入りの場所は「操縦席。私にしかできない仕事がある」

──実際に船を操縦した感想を聞かせてください。

スタッフさん、キャストも含めて多くの方々が乗っていたので、命を預かっているのだなという緊張感がありました。でも、実際に自分が操縦することによって生まれる緊張感とか、テクニカル的な部分もいい感じで撮影することができたので、免許を取ってよかったなと思っています。

──船を操縦する際に意識していたことは?

別の船が正面から来たときに右側を通らなければいけないとか、クロスする際にどちらの船を優先しなければいけないかというルールが細かくあるんです。命がかかっているからこそ、真剣に向き合わなければと思い操縦していました。

──船で一番お気に入りの場所は?

操縦席ですね。礼子は海技職員で逮捕権も持っていないですし、碇さんやほかの刑事の皆さんと同じことはできないですが、彼女にしかできない仕事があって。それが船の操縦なので、そこに責任感を持つことが大切かなと思っています。

──操縦席から見た海の景色はどうでしたか?

船は車と違って道路もないですし、常に周りの旗やブイ、標識を見て、自分で判断して進路をつくらなければいけないんです。だから、眺めがキレイだなと思うこともありましたけど、常に緊張感がありました。

──船上と陸地で、撮影する際の違いはありましたか?

船上は、地上と違って常に揺れているので危険度も増しますし、芝居をカメラでとらえること自体も難しくなってしまうんです。ですから、陸以上に集中力を高めて、キャスト、スタッフさんが一丸となって、協力しながらの、体育会系な現場でしたね。

しかも5月から撮影していて、すごく暑い時期だったのでその戦いもありつつ…。でも、そのおかげで、チームがより一丸となれたなと思っています。

山下美月 撮影の日はメイク室にパペットスンスンを連れて行っていた!

──船の操縦で一番苦戦したことは?

犯人を追い詰めるシーンのときに、後ろでアクションをやっていて、そっちを見たい(状況を確認したい)けど、船の舵を取らなければいけないという、お芝居のなかで2つのことを同時にやるというのが難しかったです。

船を運転しながらお芝居をすることは珍しいことで、今までにやっていないことを経験させていただいている点では勉強になりましたし、楽しいという思いもありました。でも、緊張感はいつもよりも増していましたね。

──休憩時間も船の上で過ごしていたのでしょうか?

お昼休憩は一旦陸に戻って休ませていただいていました。基本的に船の上では、皆さんとスポーツドリンクを飲んだり、お菓子を分け合ったりとかして(笑)。体力勝負でしたが、休み、休み撮影していました。

──船上の撮影の合間、皆さんとはどのように過ごしていましたか?

気温としては暑かったのですが、外に出るとすごく風が気持ち良くて、景色を見ながらぼーっとすることも多かったです。本当に体力勝負だったので、海の景色に助けられました。

──プライベートで船を操縦するとしたら、どこに行きたいですか?

船はまだ個人では出せていないのですが、一級船舶免許を取らせていただいたので、頑張れば海外まで行けるんですよね。ただ、そんな度胸がないので…大島がすごくステキだと船乗りの方から聞いたので、大島に行ってみたいなと思います。

──撮影の合間に『パペットスンスン』の推し活をする様子をインスタグラムで投稿していましたが、船でのロケにもスンスンは連れて行きましたか?

連れて行ってないです(笑)。船から落としてしまったりする危険もありましたし、船にはスタッフさんがたくさん乗っていたので(邪魔になってはいけないと思い)持っていけなかったです。

──船でスンスンと一緒に行きたい場所はありますか?

スンスンどこ行きたいかな?無人島じゃないですかね。自由気ままに(過ごせるので)。

──スンスンはいつ頃から好きになったのでしょうか?

初めて知ったのは、2、3年前です。最初はヘアメイクさんから「このキャラクター知ってる?」っていうところから始まって、「何これ可愛い」と思ってスタンプを買って。そうしたら急に大バズりし始めて(笑)。

スンスンがこんなにも広がっていくと思わなかったので、「古参でした」みたいな感じを出すのはちょっと恥ずかしいですが。でも、すごくうれしい気持ちでいっぱいです。

──ドラマ撮影時の楽屋にもスンスンを連れて行きましたか?

連れて行きました。メイクを直していただいくときに隣に座らせていたりとか、Tシャツを着て現場に行ったりとか、買ったステッカーをスタッフさんにお配りしたりとかしました(笑)。

やっぱり癒しですね。撮影が毎日朝から晩までとなると、皆さんも疲れてしまうと思うので、「そういうときは、スンスンを見て元気出して」っていう意味でメイク台に置いていました。“みんなのスンスン”です(笑)。

──最後にドラマの見どころをお願いします。

『新東京水上警察』は、水上が舞台なので、命への向き合い方とか事件の解決の仕方が陸とは違った難しさ、面白さがあると思います。そこを注目していただきたいです。

そして、私は海技職員という、日本のドラマではあまり描かれてこなかった職業の役を演じているので、海技職員というお仕事も知っていただけたらいいなと思い出頑張っております。ぜひ見てください。