7月25日にオープンする大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」。
その目玉の一つが、「ダイナソー サファリ」。車に乗って、恐竜が暮らすジャングルを疾走する大迫力のアトラクションです。

古代へのロマンをかき立て、多くの人々を引きつける恐竜。

そんな恐竜に情熱を注ぎ込む若者たちが、いま、福井県に集結しています。

“国内初”新設された 福井県立大学「恐竜学部」

それが、今年2025年4月、福井県立大学に新設された国内初の「恐竜学部」。
志願倍率は前期が7.3倍、後期が27.3倍。狭き門をくぐり抜けた1期生は、男女17人ずつの、計34人です。

国内唯一の「恐竜学部」とはいったいどんなところなのか?
『サン!シャイン』はその授業風景と“一風変わった”サークル活動に密着しました。

博物館の隣にキャンパス

恐竜化石の発掘量日本一を誇る「恐竜王国」福井。国内で発見された新種の恐竜13種のうち6種が福井で発掘されています。

世界三大恐竜博物館と称される「福井県立恐竜博物館」。
貴重な化石や標本が展示されている博物館の隣に、現在、新キャンパスを建設中。
この立地こそ、恐竜学部の強み。さらに博物館では学部と連携し、新入生を対象に特別ツアーを実施しています。

「恐竜学部」新入生対象 特別ツアー

教員「竜脚形類の中でも世界でトップテンぐらいに入るぐらい完全です。頭から尻尾までほぼ全部整ってます。
ホロタイプを生で置いています。ホロタイプわかる人いますか?説明できる?」

恐竜学部1期生「この生き物の名前をつけて発表する時に基準となった標本」

教員「はい、完璧です。ありがとう。もう何も補足することはないんだけど(笑)」

天然記念物の発掘現場でフィールド実習

最高の環境で、勉学に励むことができる…そんな恐竜学部ならではの授業が「天然記念物の発掘現場でフィールド実習」

もちろん、座学の授業もありますが、学生が降り立ったのは実際に恐竜化石が発掘された1億2000万年前の地層。
天然記念物に指定されている地層の発掘現場に入ることができるのも恐竜学部生の特権です。

福井県立大学恐竜学部 柴田教授:
泥がたまったところを(恐竜が)踏んで、泥の下にあった砂に残って足跡になるので、直接本物の足跡ではない。重みでできた砂の層のへこみになる。

恐竜の足跡を観察するほか、持参したハンマーを使って地層の調査を体験します。

恐竜学部1期生 中森智紀さん(20):
あ、割れた。なんか黒いのがちょくちょく見えるよね。

真剣な表情で採掘するのは、中森智紀さん(20)。

――現場に来てどうですか?
中森さん:

外からだとわからないことも、近寄って質感とか構造の違いとかも確認できたんで、来られてよかったなと思います。
傾斜が奥に斜めに下がっていってるっていうのも知らなかったのでそこを知れてよかったなと思います。

こうしたフィールド実習の狙いについて、恐竜学を担当する柴田教授は…。

福井県立大学恐竜学部 柴田教授:
当時の環境っていうのをリアルに自分で再現できるし、広い意味で体感もできる。
本当に体感できるっていうのが、こういう古生物を勉強していく中で知識をつけていく楽しみじゃないかな。

未来の恐竜博士が集まる恐竜サークル

国内初の恐竜学部。授業後の過ごし方にも、特徴があります。

ふたたび中森さんを取材すると…向かったのは、所属する恐竜サークル「Dino」のミーティング。

恐竜学部以外の学生も所属しており、その数は約40人。

部員たち
「あ〜このプラテオサウルスもいいんですよね」
「トルヴォサウルス」
「トルヴォサウルス好きなんですよね〜」
「いいよね~」

普段のサークル活動は主に、恐竜の生態に関してひたすら議論を交わすこと。
各々が仕入れた最新の恐竜知識を持ち寄り、長い時は休憩なしに3時間議論し続けることもあるといいます。

部員たち
「これまだアロサウルスじゃん」
「フクイラプトルの手がまだこれ。こう(横)じゃなくて、こう(縦)だから」

さらに中森さんが行ったのは、自身が恐竜にのめり込むきっかけとなったトリケラトプスのプレゼンテーション。

中森さん「角竜の中で襟飾りに穴がないのはトリケラトプスだけで、なんでかっていうと、やっぱりその時代の頂点捕食者といえば」

部員たち「ティラノサウルス」

中森さん「素晴らしい。ティラノサウルスがいたからちゃんと首を守れる構造を持ってたんじゃないかなと自分は思ってます。

1年生ながら、このサークルで副部長を務めている中森さん。その理由は?

中森さん:
実は、去年1年間、生物資源学部の1年生として学校に入学してたんですよ。それで、やっぱり恐竜学部入りたいなっていうことで退学をして、受験し直してもう1回入り直している。
今までも福井で研究したいどうにか恐竜やりたいと思って生きてきたので、そこまでの今までの人生が報われたかなっていう感じはしてます。

そんな中森さんが思い描く、将来の夢は?

中森さん:
まだ進化の歴史とか、あとは繁栄もそうですし、機能とかも解明されてない部分がかなりたくさんあるんで、そういうところは今後解明できたらいいなとは思ってます。

(『サン!シャイン』2025年7月22日放送より)