今回の取材会でも質問に対して、終始自然体で飾らない言葉で答え、ときには記者の笑いを誘い会場をあたたかい雰囲気に変える二宮さん。
あらためて今回発売する新書への思いや、内容がいくつかの四字熟語をテーマにしてつづられているということにちなみ、「自身の現在地を四字熟語で表すと?」と記者に問われると、二宮さんらしい言葉で語ってくれました。
「人のふんどしで相撲を取るのが大好き(笑)」 自身の現在地とは

――今回発売する『独断と偏見』はどんな人に読んでほしいですか?
同世代の方ももちろんなんですけど、若い世代だったりとか、もうひとつ上の世代だったりとか、働き方の価値観が違う世代の人はどういうふうに思うんだろうなっていうのは興味深いところですね。僕自身が仕事をする上で先輩の背中を見てきたし、先輩に意見を賜るのはあまりよろしくないとか、見て感じろよみたいなっていう雰囲気が漂う中でずっと過ごしていた10代20代だった人間が40代になり、振り返ってみると、後輩とされる人たちに今度こういうのがあるので見てくださいとか、こういうの出てるので意見くださいみたいなことを、時代って違うよなっていうのが。その都度のタイミングで価値観が違うので、それに慣れてくのが必死というか。「分かった!見るね」みたいな感じに言ってくれる先輩って俺には一人もいないなって。(笑)だからそれに嘆くよりもまず慣れなきゃなって思っている部分が多くて、それやった上でどう思うのかっていうのが自分の中で存在するので。自分の考えっていうものが、その世代たちにどう受け入れられるのか、説教くさく見えるのか、それはあなただからできるんだよと思われるのか。まだまだひよっこだなって思ってもらえるのか。どういった感想が出てくるのかっていうのは、違う世代観の方に読んでいただきたいなって思います。
――本を手に取る人にどう伝わってほしいと思いますか?
これも本当に偏見なんですけど、新書に関していうともうちょっと客観的な意見になれるんじゃないかなっていうのが自分の考えたところではありまして。芸能人が考えをまとめるときに自叙伝でいいじゃんって。そういう形が多いと思うんですけど、そうすると自分の考えや思いに対して自分が信用・信頼しているというか。「だから自分が成功していったんだ」っていう答えづけになっちゃう。だから今の俺がいるんだみたいな感じは自分自身にはなかったので。自分の思っていることなんだけど、ちょっと客観的になるにはどうしたらいいんだろうっていうときに、ご提案いただいた新書っていうのは、二宮和也はこう思っているよねっていうような立場になれるかなって思ったので、それを選択させていただいたし。シンプルなサクセス本になっていないというか、だから俺はここまで来たんだっていう感じではなく、悩んでいるものはずっと悩み続けているし、解決しているものは解決していくし。自分の責任を持つ部分が多くなってきた中でも、自分の振るまいっていうのがちゃんと客観的に整理できたんじゃないかなって思ってますね。
――本で話している当時から現在地が変わっているかと思うが、本にちなんで今の自身を四字熟語で表すと?
我田引水でしょうね(笑)基本的に僕は人のふんどしで相撲を取るのが大好きな人間なので。とにかく僕自身が僕に興味がないので、興味を持ってくれる人がいかにこうした方がいいんじゃないかっていうアドバイスを聞いたときに、それがヒットしてくるのかっていうところでことが進んでいるので。本当に、まさにな感じがしますね。

タイトル:『独断と偏見』
発売日:2025年6月17日(火)
価格:1100円
出版社:集英社