昭和11年の春。
関谷なつ美(芳根京子)は父・篤三(高橋努)から結婚話を言い渡される。しかも挙式は1週間後…突然のことにうろたえるなつ美。
そして挙式当日、帝国海軍の中尉である新郎の江端瀧昌(本田響矢)は急な訓練のため式には出席できず、花嫁姿のなつ美の隣には瀧昌の「写真」があるだけだった。
なつ美の母・さつき(紺野まひる)をはじめ、関谷家の面々はあきれるばかり。

なつ美は仲人である瀧昌の上官の家に居候させてもらい、上官の妻・柴原郁子(和久井映見)とともに瀧昌の帰りを待っていた。
2週間後、瀧昌が帰宅し、いよいよ対面の時。
緊張するなつ美の元に、瀧昌がやってくる。これまで男性と話す機会が少なかったなつ美は、何を話せばいいのかわからない。

挨拶が済むと、部屋には気まずい沈黙が…。頑張って話そうとするなつ美だが、無表情で無口な瀧昌との会話はすぐに途切れてしまう。
その時、瀧昌が突然立ち上がった。慌てて後を追うなつ美。瀧昌は柴原家の離れに入り、部屋の中を見て回る。

最後に入った寝室で、なつ美が「鏡台がある」とつぶやくと、瀧昌は「ここにします」と言ってどこかへ行ってしまう。
1人、寝室に取り残されたなつ美がそわそわしていると、瀧昌が戻ってくる。手にはお釜や調理道具などを抱えていた。
さらに、玄関にはたくさんの食器が。瀧昌が母屋から借りてきたのだ。

炊事場の準備を瀧昌にさせてしまい、動揺するなつ美。慌てて食器を持とうとするが、ぐらついた食器が落ちそうになる。その瞬間、瀧昌が食器を引き寄せて…。
一瞬、2人の手と手が触れ合う。赤面し、うつむくなつ美。自分の手を見つめ、なつ美の反応に戸惑う瀧昌。
ウブで不器用な新米夫婦の、初々しすぎる新婚生活が始まる──。