肌あたりのよさが魅力の布ナプキンは、適切な洗い方で清潔に保つことが欠かせません。この記事では、ランジェリースタイリストの中根さんに聞いた、きれいに汚れを落として長持ちさせるための布ナプキンの洗い方について紹介します。

布ナプキンは“経済的”で“肌あたりも良好”

布ナプキンとは使い捨ての紙ナプキンとは異なり、布で作られている生理用ナプキンです。肌あたりがよくムレにくいため、紙ナプキンだとかぶれが気になる人でも使いやすいのが特長。洗って繰り返し使うことで、生理用品にかかるコストを減らせます。

ただし適切な洗い方を守らないと、雑菌が繁殖しトラブルにつながることもあります。衛生的に使い続けるためには、経血をきれいに洗い落とすことが重要です。

基本をチェック!布ナプキンの洗い方

布ナプキンを清潔に保つための、適切な洗い方について解説します。
 

予洗いで汚れを落とす

経血は時間が経つと乾いて固まり、落としにくくなります。使用後の布ナプキンは、できるだけ早めに洗いましょう。

洗濯機に入れる前に水やぬるま湯で予洗いし、布ナプキンについた経血を洗い落とします。血液中に含まれるタンパク質は熱によって固まる性質を持つため、40℃以下を目安にしてください。

なお、ごしごしと布同士を擦り合わせると生地が傷む原因に。やさしく経血を押し出すイメージで、丁寧に洗いましょう。
 

つけ置き

染み込んだ経血汚れを浮かせるために、つけ置きをしましょう。バケツやたらいに、アルカリ性の液体せっけんを溶かした水またはぬるま湯を用意します。布ナプキンを入れたら、3時間~半日ほどつけ置きしてください。合成洗剤では経血が落ちにくかったり、布ナプキンの風合いが損なわれる場合があるため要注意です。

経血は水より重いため、つけ置きの際は経血がついた吸収面を下にするのがポイント。汚れが浮いてきたら、最後にもみ洗いをして汚れを落としましょう。
 

洗濯機もしくは手洗いで本洗いへ

つけ置き後はよくすすぎ、洗濯ネットに入れて洗濯機で洗うか、やさしく手洗いしてください。予洗いの時点で汚れはほとんど落とせるため、気にならなければ他の洗濯物と一緒に洗ってもOK。ただし柔軟剤が使用できない商品もあるため、事前にタグやパッケージで確認しましょう。

手洗いする場合も、洗濯機で洗う場合も炭酸セスキソーダを使用し、洗剤が残らないように十分すすぎます。最後にしっかり絞って脱水しましょう。
 

脱水後にしっかり乾かす

洗い終わったら、できるだけ天日干しするのがおすすめ。太陽の光に当てて干すことで、雑菌の繁殖を防げます。

乾燥時間を短縮させたいときは1~2分程度脱水機にかけたり、あらかじめ乾いたタオルで軽く水分を取っておくとよいでしょう。
 

お手入れ時のワンポイント

なかなか汚れが落ちないときは、交換頻度を見直してみてください。経血量にもよりますが、布ナプキンの使用時間の目安は3時間程度。推奨時間を超えて使うと、汚れを落としにくくなることがあります。

また、小さめのスプレーボトルに水を入れ、セスキ炭酸ソーダなどの弱アルカリ性洗剤を溶かして持ち歩くのもひとつの手。布ナプキンを交換する際、洗剤入りスプレーで少し濡らして密閉袋に入れておくと、洗濯時に汚れが落ちやすくなります。

この記事の監修者

ランジェリースタイリスト|中根 菜穂子

一般社団法人 日本ランジェリースタイリスト協会 代表理事


雑誌やTVで下着専門のスタイリストとして企画協力を行う他、ランジェリーを学ぶ、楽しむ、仕事にするをテーマとした学校「ランジェリーカレッジ」を主宰。
ランジェリーを通して、自分を大切にすることが当たり前の社会を目指している。