この冬、たくさんエアコンを使って汚れもたまっているのではないでしょうか。
エアコンの清掃を年500件こなすという“ハウスクリーニングのプロ”、大川クリーンサービスの大川郁夫さんによると、今の時期にエアコンをキレイにしておくことによって、夏に冷房を使ったときのイヤな臭いを防ぐことができるといいます!
簡単にできるエアコン掃除術3選を教えてもらいました。

①エアコン上のホコリをクリーンワイパーで取ってイヤな臭いを防止!

まず一つ目は、72%の人が知らなかったという掃除術、「エアコン上のホコリを取ってイヤな臭いを防止」すること!

大川さんによると、冬は比較的乾燥しているため、乾燥した空気にホコリがのって、エアコンの上部に吸い込まれていくことでホコリがたまることが多いといいます。
そのためエアコンの上部をキレイにすれば、エアコンを付けたときのイヤな臭いを抑えることができるんだそうです。

そもそもエアコンは、本体の上の部分から部屋の空気を吸い込み、温かい空気や冷たい空気に変えて排出する仕組み。
そのため…

この冬、暖房を使ったエアコンの上部にある吸い込み口を見てみると…まんべんなくホコリがたまっているのが分かると思います。

これはエアコンの暖房を使っていなくても同じで、生活する中でホコリが舞い上がり、エアコン上部にたまってしまいます。

このホコリがカビを繁殖させ、イヤな臭いの原因になるんです。

大川クリーンサービス・大川郁夫さん:
エアコンをつけたときの嫌な臭いの原因はカビです。
ホコリがたまった状態にしてそのまま使うと内部にあるカビがさらにホコリを栄養素として取り込むので、カビがもっともっと繁殖する原因になります

そこで大川さんがオススメするのは100均でも買える「クリーンワイパー」!

このクリーンワイパーでエアコンの吸い込み口を軽くこすると…

簡単にしっかりとホコリをキャッチをしてくれます。

クリーンワイパーで掃除する前と後を比較すると、吸い込み口に乗っていたホコリが一気にキレイになっているのが分かるはず!
エアコンを使う前には、吸い込み口のホコリを取り除いてイヤな臭いを防止しましょう。

②エアコンのフィルターは中性洗剤で洗うことで簡単キレイに!

続いては、エアコンのフィルター掃除。
掃除機でホコリを吸ったり、水で洗って掃除している人もいるのではないでしょうか。

そこでオススメなのが、58%の人が知らなかったという「エアコンのフィルターは中性洗剤で洗う」!

エアコンのフィルターとは吸い込み口にある、網のような部品のこと。
室内の空気をろ過して微粒子などを取り除いてくれます。

しかしフィルターの掃除は、水洗いだけだとホコリをキレイに取りずらいことが…。

そこでオススメなのが、掃除機で大きなホコリを吸ったあと、100倍に希釈した中性洗剤を雑巾になじませて拭く方法!

実際に、中性洗剤をなじませた雑巾で拭いた部分と拭いていない部分を比べてみると、色も変わって網目がはっきり見えるようになり、キレイになっているのが分かります。

これは多くの中性洗剤に含まれている「界面活性剤」のおかげ!
フィルターからホコリを浮かして取りやすくしてくれることで、簡単にホコリが取れるんです。

③エアコン内の汚れは冷暖房を使って結露させて洗い流す!

ここまではエアコンの外側のホコリや汚れを落としてきましたが、まだエアコンの内側の汚れが残っています!
実は、エアコンの中も簡単にキレイにする方法があるんです。
それは、78%の人が知らなかったという、「エアコン内の汚れは結露させて洗い流す」!

エアコンの内部で重要になるのが「熱交換器」!
「熱交換器」とは、取り込んだ部屋の空気を冷やしたり温めたりするエアコンの心臓部。

細かい凹凸がある構造のため、ホコリがたまりやすい部分でもあるんです。

そのため、ホームセンターなどに行くと、熱交換器を掃除するクリーナーが売られています。
見たことがある人も多いのではないでしょうか?

しかし、“ハウスクリーニングのプロ”大川さんが伝授してくれるのは、道具を一切使わない、たった2ステップの超簡単な掃除法!

まず、エアコンを冷房にして、温度を17~18℃に設定。これで30分間運転します。

次に、暖房にして温度を30℃に設定。これも30分間運転するだけ!

たったこれだけで、なぜイヤな臭いをカットできるのかというと…

吸い込んだ部屋の空気は、急速に冷やされた「熱交換器」を通ってエアコンから吐き出されます。
このとき、冷房で17~18℃に設定すれば、吸い込んだ空気と熱交換器の温度差が大きくなり結露が発生。

この結露が「熱交換器」などについたホコリや雑菌をキャッチして、室外に水分を排出するドレンホースを通り、エアコンの外に流してくれるというわけなんです!

運転時間が短いと汚れが流れ切らないので、30分以上運転させることが大切だといいます。

大川クリーンサービス・大川郁夫さん:
この方法の最大の目的は結露を発生させること。
結露は温度差がないと発生しないので、できるだけ外が暖かい日に、部屋が冷えすぎないように換気扇をまわしてあげるなど、空気対策をとりながら作業を進めていきます。

寝室などのエアコンの場合は、部屋のドアを開けて行えばOKです!

そして、結露はカビのリスクが発生するため、30分冷房運転したら、今度は暖房運転してエアコン内をしっかりと乾燥させ、カビの発生を防ぎます。

設定温度を30℃にしたときの「熱交換器」は、およそ50℃まで上がるので、結露で流しきれなかった雑菌を熱で殺菌し、カビを撃退することができるといいます。

ちなみに、エアコン内の汚れの通り道になるドレンホースですが、ホコリやゴミが溜まる場合もあります。
その際は、ホームセンターなどで購入できるポンプ式のドレンホースクリーナーというもので、掃除ができるそうです。

気温が上昇し、エアコンの利用頻度が落ち着いた今の時期こそ、エアコンの中をしっかりとキレイにしてみてはいかがでしょうか?

(『ノンストップ!』 2025年3月11日OAより)