趣里さんが、『ザ・ノンフィクション「われら旅芸人の大家族~僕とわたしの生きる道~前編」』(3月9日14時~/フジテレビ※関東ローカル)の“語り”を担当します。

旅一座「劇団暁(あかつき)」の家に生まれ、子どもの頃から各地を転々とする大家族のような生活。令和の時代に大衆演劇に身を投じ、役者一筋で夢を追う若者たちを見つめます。

ナレーション収録後、趣里さんにインタビュー。映像を見た感想、同じ俳優として感じること、“生の舞台”ならではの魅力などを聞きました。

存続の危機も…大衆演劇に人生をかける若者の挑戦

まるで家族のように寝食を共にしながら日本各地を転々とする若者たち。令和の時代に「大衆演劇」の世界に人生をかける10代、20代の汗と涙の日々…。

関東随一の人気を誇る「劇団暁」。座長を務める兄・夏樹さん(44)と弟・春樹さん(41)の兄弟は幼い頃、暁の公演を見たことをきっかけにこの世界に飛び込みました。

この2人の8人の子どもたちは、巡業先からその土地の学校に通い、小・中学校を卒業。今は全員が役者として人気劇団を支えています。

暁のこどもたち

大家族のように巡業生活を送る彼らの「家」は、栃木県の山あいにある小さな芝居小屋。栃木県塩谷町にある「船生(ふにゅう)かぶき村」は、人口1万人に満たない小さな町で、30年の間、人々を楽しませてきました。

しかし、時代の流れと共に大衆演劇を楽しむ客も高齢化。コロナ禍で大打撃を受けて、存続の危機に陥っていました。

そんななか、改革に乗り出したのが代表を継いだ、座長の春樹さん。新たな客を開拓するべく動き出すものの、役者一筋で生きてきた春樹さんにとって、会社経営は初めての挑戦。厳しい現実を知ることになります。

春樹さんの長女・愛羅さん(22)も幼い頃から、父の背中を見て育ち、“家業”とも言える役者の道に迷いなく飛び込んだ一人。

劇団暁 愛羅さん(22)

3歳から舞台に立つ彼女は、男性中心の大衆演劇の世界で、劇団暁では女性としては初となる「花形」(看板役者)を襲名するべく、役者人生最大の公演に臨もうとしていました。