今から41年前、1984年に行われたロサンゼルス五輪で、世界の度肝を抜いた日本人がいました…。

元体操選手の森末慎二さん(67)。
ロサンゼルスル五輪では、鉄棒で10点満点の金メダルを含む、3つのメダルを獲得した“体操界のレジェンド”です。

現役引退後もタレントとして、お茶の間の人気者となり、マルチに活躍。水道修理会社のCMキャラクターとしても親しまれました。

現在、67歳となった森末さん。実は今、沖縄の宮古島にいるといいます。
『めざまし8』は、宮古島で“新たな暮らし”を始めた森末さんに密着。そこには、第二、第三の人生を充実させる生き方がありました。

宮古島で「天丼専門店」を経営 忙しい日々を送る

人気リゾート・宮古島での森末さんの暮らしは、かつてとは様変わりしていました。
2018年に宮古島で天丼専門店をオープン。今は、海にほど近い開放的な場所で、お店を営んでいます。

森末慎二:
店はここなんですけどね。いろんな知り合いも含めて、みなさん結構来てくれています。

森末さんと親交のある芸能人などが数多く訪れるという店内には、様々な著名人のサインや、体操界のレジェンドの店らしく、東京五輪と長野五輪の聖火トーチなどが飾られています。

看板メニューの天丼を注文してみると、宮古島産の車海老を使った大きなエビ天が3本も乗っている豪華な天丼が出てきました。

森末慎二:
天丼文化、(元々)宮古島にはないねっていうことで。じゃあ天丼やってみるかっていうことで、車海老の天丼をやり始めた。

現在、妻を東京に残し、1人宮古島生活を送っているという森末さん。
店に到着すると、開店準備に取り掛かります。自らトイレ掃除をし、床磨き。天丼は油を使うため掃除は大変だそうで…。

森末慎二:
もう1日でベトベトになっちゃうんで、例えば2日くらいサボると(油で)椅子が床にひっついちゃう。もう体ボロボロですよ。筋肉痛で。

店中の掃除が終わると、厨房へ。 エビの頭で出汁を取る味噌汁の仕込みを済ませ、買い出しへ向かいます。

買い出しを済ませて店に戻ると、息つく暇もなく開店。店内は、開店直後からほぼ満席に。

森末「何しましょうか?」
「オリオンビール」

森末「あと、海ぶどうの新しいのが入っています。取れたて、取れたて」
「じゃあお願いします。ハハハ、勧められた(笑)」
森末「押し売りしている?」

接客や配膳でフロアを動き回り、合間に厨房で天丼の盛り付けをするなど、調理スタッフの手伝いも行います。

――すごい人ですね
森末慎二:
まだ今日は全然。 開店前に10人くらい並んでいることもあるんで。

2024年には、宮古島と韓国との直行便も開通し、海外からのお客さんも増えたといいます。
翻訳アプリを使っての接客もお手のもの。

混雑が少し落ち着いても、営業時間は常に店頭に立ち続けます。
午後2時半、閉店を迎え ようやく休憩かと思えば…翌日以降に使う車海老の下処理を始めました。

森末慎二:
5パックも10パックもやると、3時間くらい(かかる)。

「充実した疲れ」車海老との出会いと“今”

67歳にして多忙な日々を送る森末さん。
宮古島で天丼専門店を始めるきっかけは、宮古島に家を建てる時に知り合ったという、建築会社「有限会社あさひ」の下地弘晃社長との出会いでした。

実はこの会社が車海老の養殖も手がけていたことから、森末さんはそのとき、宮古島が車海老の産地であることを知ったのです。

森末慎二:
車海老を使って何かやりたいってねっていうんで、とりあえずハワイ行って、ハワイのガーリックシュリンプ屋をだーっと回って、ガーリックシュリンプを食べまくって。

「有限会社あさひ」下地弘晃社長:
(日本に帰ってきて)いろいろ作って。

森末慎二:
いろいろ作ってみたんだけど、一番おいしいのは天ぷらだった。

地のものを最大限活かそうと、始めた天丼専門店。しかし、開業当初は、順風満帆とは行かなかったといいます。

森末慎二:
前はもう、赤字、赤字でやっていましたけど、今やっとこさ、どうにかお客さんも入ってきていただいて。
もう前は、本当に毎晩飲みに行ってたんですけど、飲みに行く元気もない、もうヘトヘトですよ帰ったら。気絶してるもん、帰って。でも充実した疲れなんで、すごく楽しい。

そんな森末さんの、宮古島での自宅は、サトウキビ畑が目の前に広がる2階建ての一軒家。

リビングからキッチンまで続く開放的な空間には、ギターやサンゴの置物など、森末さんが愛する趣味のものがずらり。1階のゲストルームには、体操選手時代のメダルなど記念品が飾られていました。

南国らしい海の風景に心ひかれ、1人で暮らす決断をした森末さんですが、離れて住む妻との将来については…。

――将来、奥さまは仕事辞められたら、こっちに来る?
森末慎二:
そういう話になっている。本人はそうかもしれない。向こうはまだ仕事していますからね、お互い自由に動いているんで。

毎日、全力で店を営みながら、休みの日はギターを弾いたり、海を眺めたり、気の合う島の友人らと飲んで語らい、自分らしい時間を過ごす森末さん。

森末慎二:
35年ぐらい前から、沖縄に家を建てて、離島に家を建ててのんびりしたいってのが昔からあったので。
体操を20代ずっとやってきて、一番の目標の五輪で金メダルを取れたっていうことで、自分の一つの目標を達成しちゃったんで、本当は次の日から辞めて何かやりたいと。そこから芸能界に入って、かれこれ15年、20年くらい楽しませていただいたときに、なんか全部やりきっちゃったんだよね。芸能界の仕事も、すべてやることやらせていただきました!はい終わり!で、次に何やろうかなっていうふうに思って、新しいものまた探しにいくっていうのがあったんで。自分にとって次に新しいもの、なにか楽しいことを探しにどこかいこうかなという感じで。ゆっくりしようと思っていた宮古島で店やって。最初大変だったけど、成功させたいなって今。

変な話、もうかっちゃったら、次何やろうかな?ってなるかもしれない。
自分が楽しめるように、楽しいからきついことがそんなにつらくない、そういうところができればいいと思いますね。

(『めざまし8』 2025年2月21日放送より)