冬の鍋やおでんなどに欠かせない「こんにゃく」。
寒さが厳しくなる中、こんにゃく収穫量第1位の群馬県にあるおでん店には、おでんを食べようと多くの客が訪れていました。

おでんを食べに来た客:
こんにゃく好きなんだよね!からだに良いじゃん。おでんといったらこんにゃくだよね

おでんを食べに来た客:
腸のお掃除を促す効果があるって聞いて、それからずっと必ず食べていますし、高カロリーの物を食べるよりは、おなかにもたまるんで。

「低カロリー」「腸にやさしい」などの様々な理由で、多くの人に愛されている、こんにゃく。しかし、群馬大学などの研究によると、こんにゃくの体にうれしい効果は、それだけではないといいます。

群馬大学 食健康科学教育研究センター 鳥居征司教授:
大腸がんだったり、中性脂肪を落とすというような結果はいろいろ得られているんですが、最近の科学技術、腸内細菌とかの研究の進み具合によって、だいぶ分かるようになってきました。

ヘルシーなだけじゃない、こんにゃくの魅力を徹底解析します!

知られざる「こんにゃく」の“スーパーパワー”

体にうれしい様々な効果が期待される「こんにゃく」。

非常に低カロリーな上、成分に含まれる「グルコマンナン」という食物繊維は、体内での消化が遅く、水分を含むと増量し腸壁を刺激して排便を促す「整腸作用」があるといわれています。

長年こんにゃくの研究をしている群馬大学 食健康科学教育研究センターの鳥居征司教授によると、この「グルコマンナン」によって、「大腸がんの予防」が期待されているというのです。

大腸がん予防に期待

大腸には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つの菌が生息しており、その中で、「悪玉菌」は有害物質を作り腸の免疫力を低下させますが、「善玉菌」は「悪玉菌」の増殖を抑制してくれます。

こんにゃくに含まれる「グルコマンナン」は、この「善玉菌」を増加させる効果があるといいます。

実際に、群馬大学で2020年に行われた検証では、マウスに「グルコマンナン」を含むえさや水を投与して様子をみると、大腸がんの発生数やがん細胞の生着率が抑制されました。

血糖値抑制

こんにゃくに期待される効果はそれだけではありません。年を取ると気になる「血糖値の抑制」にも一役買ってくれるといいます。

こんにゃくは、一緒に食べると他の食材も共に時間をかけて胃腸を通過させるため、消化吸収がゆっくりになると言われています。
群馬大学が2020年に行った検証では、「五分がゆ」に、こんにゃく粉を0.4%と0.8%入れたものをモニターに食べてもらって食後の血糖値を比較すると、こんにゃく粉を0.8%入れたおかゆは、入れていない五分がゆと比べ、「食後30分で血糖値の上昇を抑制した」との結果が得られています。

美肌効果と認知症予防

こんにゃくには、肌の潤いを保つ「セラミド」という成分を生み出す、「こんにゃくセラミド」が含まれており、食べることで、「セラミド」の合成に関わる酵素が増加。セラミドの生成が増加し、「美肌効果」があるといわれています。

さらに、「こんにゃくセラミド」は「認知症予防」にも効果が期待されています。

認知症の1つに、「アミロイドβ」というタンパク質が脳内に長年、蓄積することで発症するとされている「アルツハイマー型」認知症があります。
「こんにゃくセラミド」を摂取すると、この蓄積を抑制する効果があるというのです。高齢で発症するため、50歳ごろからの摂取が望ましいとのことです。

また、「こんにゃくセラミド」をより多く吸収するためには、こんにゃく粉から作られたものではなく、こんにゃく芋を直接加工したこんにゃくを食べるのがいいとされています。「こんにゃくセラミド」は、皮の近くに多いため、こんにゃく芋から直接作られたものの方が多く含まれるそうです。

スーパーでこんにゃく芋から作られたこんにゃくを探す際は、商品の後ろにある原材料名が「こんにゃく芋」になっているか確認してください。

「こんにゃくセラミド」を効率よく体に吸収するためにオススメの料理は、「刻みこんにゃくのきんぴら」です。こんにゃくの組織を小さく壊すことで隙間から「こんにゃくセラミド」が出てきやすくなります。また、こんにゃくセラミドは、脂溶性のため、油があると吸収されやすくなります。

――これだけの効果が期待されるこんにゃくですが、食べるときに注意する点は?
鳥居 征司教授:
こんにゃくはおなかがふくれる、たくさん食べ過ぎるとおなかにとっては厳しい、実際たくさんは食べられないと思いますので、一気に食べるのはオススメできません。
研究でも主食に混ぜたことが良いと考えられていますので、一日あるいは二日に一回、ご飯とともに食べていただいて、それを継続していただくのがいいと思っています。

(『めざまし8』 2025年1月9日放送より)