皆さんは来年に迫る「2025年問題」を知っていますか?
――「2025年問題」って聞いたことありますか?
30代女性:
いや、ないですね。
50代男性:
要は働き手が少なくなるって事じゃない?
「2025年問題」とは、第一次ベビーブームの時に生まれた「団塊の世代」約800万人が、来年、全員75歳以上になり、国民の約5人に1人が後期高齢者となることで生じる様々な問題を指します。
厚労省や経産省も指摘してきた「2025年問題」
超少子高齢化社会に突入し、社会保障の負担増加や働き手の減少なども懸念されています。
『めざまし8』は、問題に直面する都内の介護施設を取材しました。
介護スタッフ 八武﨑圭右さん:
お味はどうですか?
施設利用者:
うん。
こちらの施設では、62人の入居者に対し、23人のスタッフが介護にあたっていますが…、
――入居者からのコールはひっきりなしに?
介護スタッフ 八武﨑圭右さん:
ずっと夜中鳴ってしまってて。しかも同時に鳴ってしまいますと気づかないこともあるので。
11月に派遣スタッフ3人が新たに増えたものの、いまだに人手が足りない日もあるといいます。また人手不足を解消するため、5年ほど前から外国人のスタッフも雇用しているそうですが…。
施設長 石田貴世志さん:
海外スタッフに関しては9月までは9名いたんですけども、10月からは7名となっております。日本人職員だけで運営するっていうのは当施設では厳しいと思ってます。
介護の人手不足だけではない様々な問題を、社会保障政策や高齢者の働き方に詳しい淑徳大学・結城康博教授に解説していただきました。
倉田大誠アナウンサー:
超少子高齢化で迫る2025年問題。結城先生によると、特に大きな4つの問題があるといいます。まず1つ目です。
1.後期高齢者の増加で医療・介護費が増大
高齢者を支える人が減り「医療費・介護費が増大する」可能性が、以前から指摘されています。
・75年前の1950年には、65歳以上ひとりを現役世代12.1人で支えていたが、2025年では現役世代2人でひとりを支える計算に。
⇒そうなると、高齢者自身が負担する費用が増える可能性も。
倉田アナ:
データで見ると65歳以上と75歳以上で、1年にかかる医療費がけっこう変わってくるんですね。人数が多くなるということは、それだけ社会保障費の増加につながります。
倉田アナ:
ではその社会保障費は、どれくらい増えていくのでしょうか?
2025年度の医療費は、140兆円を超えると見込まれています。特に医療と介護に関しては、2018年と比べて医療費は1.2倍、介護費は1.4倍に増えるとみられています。
先生、この数字、もう迫っているものですよね?
淑徳大学・結城康博教授:
団塊世代の方が、全員75歳以上になるのでどうしても歳をとると自然なことですが病気がちになりますよね。病気が原因で介護となると、70歳~74歳は要介護認定率が5%なんですが、75~79歳となると12%となってどっと上がるんですね。
なので2025年からこの社会保障、医療費が問題になると思います。
倉田アナ:
さらに介護を求める人が増えることで、介護をする人が必要になりますよね。
そこで問題になってくるのが、2つ目の問題、「介護してくれる人が足りなくなってしまうんじゃないか」ということです。
2.介護をする人の不足 介護保険料を払っても受けられない?
倉田アナ:
厚労省によると、2025年度には介護が必要な人が717万人に。これは2024年度に比べると12万人増えているということです。では、果たしてこの方々を支え介護をしてくれる人がいるのか?
2026年度には約25万人が、さらに2040年には約57万人が不足するといわれています。
MC谷原章介:
ひとりで背負うことって無理だと思うんですよ。地域の支援や、親戚とか友人、こういった人と助け合っていかないと。ひとりでやって、仕事も辞めてって無理をしたら背負った人自身が追い込まれてまた不幸なことになってしまうかもしれませんから、みんなの力で支えていくべき。
淑徳大学・結城康博教授:
今もまったく足りていない状態です。介護保険料を払っているからもし介護が必要になったら受けられると思っている人もいると思うんですが、ヘルパーが非常に少ないので、実際に受けようと思ったら使えないという状態が今、起きているんですよね。
MC谷原章介:
この原因は人手不足なのか、賃金が足りないからなのか、どちらなのでしょうか。
淑徳大学・結城康博教授:
人手不足が深刻なんですよね。ただ一般の産業で働いている方と80万円ぐらい年収が違うので、介護職員に就く人が非常に少ないということです。介護職員の人の賃金を人並みにしないといけないというのはあります。
3.後継者不足 日本経済に大きな影響も…
平均引退年齢は70歳と言われる中、70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人。そのうち約半数の127万人が後継者未定といわれています。
これは日本企業全体の約3分の1に。数字で見ると累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性があるというんです。
4.高齢者の我が家が廃墟に!?
倉田アナ:
総住宅数のグラフですが、下の赤い部分が空き家率を表しています。
75歳以上の方が増えることで、2025年頃を境に空き家率が極端に上がっていくんです。これが、増え続けていくという予測があるんですよね。こうなると、例えば相続の問題などのトラブルも考えられるわけなんですが、空き家再生協会代表の菊池さんに話を聞きました。
<空き家再生協会 菊池代表によると…>
・自分の子供など相続人との事前話し合いが最重要
・遺品になりそうな物で処分できるものを決めておく
倉田アナ:
結城先生、いろいろありますけれど、やっぱり心構えが必要ですよね。
淑徳大学・結城康博教授:
2025年って節目の年で、介護とか病気とか、例え今は元気だったとしてもすぐに介護って必要になるので…、事前に準備をしておく、家族間でも話し合いをしておく、それが非常に大事ですね。
(『めざまし8』 2024年12月6日放送より)
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