2024年7月、農水省は「お米の民間在庫量」が、前年比で41万t 少ない156万t と、統計史上、過去最少の結果となったことを発表。スーパーでは、欠品が相次ぐ事態となっています。
都内に店舗を構えるスーパー「アキダイ」では、お米コーナーがほとんど空に…。
「アキダイ」秋葉弘道 店長:
何袋ちょうだいって言えば、それが来るんですよ。普通にそれが今までは当たり前ですけど、今は頼んだ数が来ないですね。
買い物客:
おとといくらい(別の)スーパー行ったんですけど、確かになかったですね。(目当ての5kgが)なかったので2kgのものを買いました。
また、埼玉県・越谷市のスーパーでは、主に扱っていた10kgのお米が十分に入荷できなくなり、2kgのお米を確保し、購入制限を設けた上で、販売しているといいます。
「米不足」で思い出されるのは、記録的な冷夏の影響で深刻な米不足となりアメリカ産の米やタイ米が店頭に並んだ、約30年前の「平成の米騒動」。
果たして、今回は「令和の米騒動」となってしまうのでしょうか?
「首都圏で何が起こっているのか?」
過去25年で最低となった「お米の在庫量」。
その原因は、人口減少を受け毎年10万t ペースで消費が減少している中で、政府が米の生産をコントロールしていること、去年から続く猛暑の影響で、米の品質が低下し収穫量が減少したこと、また、コロナ禍が終わり、急増した外国人観光客の需要が伸びたことも一因だといわれています。
それに伴い、価格も秋田産「あきたこまち」5kgが2787円と、去年の同時期と比べ約700円値上がり。茨城産「ちほみのりは」5kgは2906円と、去年の同時期と比べ約1200円値上がりしています。
さらに、自身も米穀店を経営して、米に関する7大資格を取得している澁谷梨絵さんによると、この “米不足”には地域差があるといいます。
澁谷梨絵さん:
お米があるところというのは、農家さんたちと直接取引をしていてある程度在庫を確保していて、値段も決まっていて出すことができる。ただ、ないところは、特に消費県といわれる首都圏のスーパーやドラッグストア、大量に割とお買い求めしやすい価格で販売されているところはなくなっています。
実は、地方の卸問屋さんに聞くと、「首都圏で何が起こっているの?」と驚くくらい、地元のスーパーには並んでいるけど、首都圏からだけ注文が来るという声もあるので、割と地域差があると思います。
米の在庫については、農林水産省も「主食用米の全体需給がひっ迫している状況であるとは考えていない」「民間による在庫も十分あるので平成の米騒動のようにはならない」としています。
しかし、全国の小規模米販売店で作られる団体がまとめたアンケートによると、5月の段階で、収穫期までの在庫量について「確保している」と答えたのが24.3%。「7月くらいまでは確保している」46.0%、「現状需要に対応できない」29.7%と、約76%の米穀店が不安を抱えていました。
福島県の米の卸業者である「樽井商店」でも、現在の米の在庫量は例年の3分の1程度、専務によると「こんなに米がないのは初めて。例年の在庫量になるのは9月後半~10月ごろの予定」と話しています。
澁谷梨絵さん:
私たちも卸業者と取引ありますけども、やはりどんどんお米がなくなっていて、同じような状況で、この銘柄がなくなってしまったから次はこれと、どうにか回している状況というふうには皆さんおっしゃっています。
ふるさと納税にも影響…米不足いつまで?
店頭から米が消えただけではなく、こんな影響も出ています。
北海道厚真町では、ふるさと納税の返礼品「ゆめぴりか」が、米不足のため新規の受付を6月から停止、定期便は7月から送付停止しています。
担当者によると、「9月まで停止したままになる可能性、10月からは新米が出回り提供を再開できるかも」とのことでした。
平成の米騒動を受け、緊急時に米を供給できる様に、国は1995年に備蓄を制度化。現在は常時約100万t を備蓄しています。今回、この備蓄米の導入はあるのか、農林水産省を取材したところ、「市場への影響が大きいため慎重に判断していく」と返答がありました。
澁谷梨絵さん:
主食用米に限っては、政府の方も「きちんと在庫は確保されているので放出する予定はない」と言っているのですが、放出した際に値段も暴落してしまう可能性もあるので、農家さんのことを考えても慎重になっているところはあると思います。
――米不足の解消はいつごろになるのでしょうか?
いまどんどん、新米が出てきていますし、もちろん去年の高温の影響があったので、農家さんもとても慎重になって作ってらっしゃるので、良い品質の物がどんどん新米の時期に出てきますので、今少なめですけども、来月になれば新米が入ってきますし、10月11月になれば、新米供給されてきますので、100%しっかりと棚に並んでくると思います。
――価格はいつごろ落ち着きそうでしょうか?
どうしても今在庫がないという状況で、農家さんも様々お値段かかってきていますので、今の価格がそのまま新米の、ちょっと高値の傾向でスタートして、今年のお米はずっと同じくらいの金額かも、落ちてもほんのわずかで来年度の新米を向かえるのではないかと考えています。
本当に、あと1週間2週間で新米が出てきて、特に今年は豊作でおいしいお米が出てきそうなので、もう少し待っていただいて、2㎏とか5㎏とか少ない量を、必要な量だけ買っていただいて、新米を楽しみに待っていただけたらよろしいかと思います。
(『めざまし8』 2024年8月21日放送より)
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