連日暑い日が続き、熱中症になる人がいる中で今、「熱中症」と「新型コロナ」を同時に発症する、“熱中症コロナ”が急増しているといいます。
都内のクリニックは、問い合わせの電話がひっきりなしにかかり、診察を待つ患者であふれています。

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
喉の痛みも結構ある?

患者:
すごい痛かったです。

伊藤博道院長:
抗原検査したんですけど。新型コロナの(陽性)

患者:
えっ!?

患者:
熱中症から普通の風邪になったと思って…。

伊藤博道院長:
新型コロナの陽性でした。そうした人、非常に多いんですよね、“熱中症コロナ”です。

いとう王子神谷外科クリニックの伊藤院長は、「熱中症対策」と「コロナ対策」が相反していることも、“熱中症コロナ”が急増している原因の一つだと指摘します。

伊藤博道院長:
(熱中症対策には)エアコンを継続的に使うことが非常に重要なんですが、やはりその中でどうしても喉の粘膜が乾燥して、バリア機能が弱ったりとか、それから換気が不良になるってことがあり得るわけです。
エアコンによって部屋の中は空気をこうかき混ぜているような状態ですから、感染者数がいたとするとですね、空気感染するウイルスですから、ぐるぐる回ってしまうわけですよね。

さらに、同時に起きていたのが…

伊藤博道院長:
KP.3という変異株が広がっています。急に暑くなるタイミングと変異株に次々変わっていくタイミングが重なってしまったんではないかというふうには思います。

今年2024年の4月末ごろには、1万人ほどだった新型コロナの感染者が、7月には約3倍に。
重症化しやすいとされる 高齢者はどう対策しているのでしょうか?

60代女性:
人混みに行くと怖いなと思って。
年とともに免疫力も落ちていると思うから、やっぱり自分で守らないと。

70代と80代の姉妹:
暑いとマスクの中がムンムンしちゃう。
暑くても我慢だもんね結局。対策ってね。

「暑さ」と「コロナ」の同時対策に困惑していました。
暑さと共に増加する“熱中症コロナ”。どんな症状が現れるのでしょうか。

「めざまし8」が話を聞いたのは、6日、暑さで体調を崩したという50代の男性。

“熱中症コロナ“にかかった50代男性:
完全に体が動かなくなってしまって、土日はベッドから起き上がれないぐらい。
咳と痰と全身のだるさですか。ちょっときつい風邪ぐらいな症状が出てました。

男性は週明けに職場に出勤しましたが、倒れてしまったといいます。

熱中症コロナにかかった50代男性:
(仕事の)最中に意識がなくなってしまいまして上司が救急車を呼んで。
熱中症ということで血液検査が受けたところ、コロナの陽性が見つかったと。

熱中症だけではなく、新型コロナウイルスに感染していることも分かったのです。

熱中症コロナにかかった50代男性:
熱中症と合わさることで体力がゼロ状態になってしまうのでなかなか治りづらいというのは、あると思います。失礼しますね。ゴホゴホゴホ…。

また 伊藤院長の元には、こんな患者も診察に訪れたといいます。

熱中症・手足口病・新型コロナの“三重奏”の患者も…

こちらの女性は、熱中症と手足口病を発症。さらに検査をすると…

伊藤博道院長:
7月8日は熱中症、7月9日は手足口病。
だからこれ本当に、熱中症、手足口病、新型コロナの三重奏なんですよね。

女性:
はあ・・本当ですか。

伊藤博道院長:
なりやすいものすべてが一気に集まったと。

新型コロナも陽性。3つの病気を同時に発症してしまったのです。

伊藤博道院長:
この暑さとその感染症が増えるこの夏、換気とその暑さ対策の両立っていうことを考慮していく必要が我々に今、突きつけられているのかなと思います。

小室瑛莉子アナウンサー:
新型コロナ感染者数が9週連続で増加しているんです。
グラフ見てみても右肩上がりでして、1医療機関当たりの患者数を全国平均で見ると6月24日からの1週間は5.79人だったのに対し、7月頭からの1週間は8.07人と9週連続で増えてきているんですね。
ただ、増加の背景には今流行している変異株の特徴もあるかもしれないということです。

昭和大学・二木芳人名誉教授によりますと、今、流行しているのは「KP.3」と言われる変異株なんです。こちら、少し前に流行りました「オミクロン株」の1種と言われておりまして、特徴としては、感染力や免疫を回避する力が高い。ただ、通常のコロナと同様で重症化のリスクについての変化はないということでした。
また、症状に関しても通常の新型コロナと一緒。倦怠感や喉の痛み、発熱などの症状があるそうです。

小室瑛莉子アナウンサー:
また、二木先生によりますと、今回の(感染者の)増加は11波と言ってもよく、意識のゆるみや変異株の変化などが合わさったのが要因ではないか。とのことで、「三密」を避けたりマスクや手洗いなど基本的な感染対策をもう一度意識する必要があるとのことでした。
熱中症対策を考えると、マスクなどはできないという状況もあるとは思いますが、やはり新型コロナが流行した当初を思い出して、しっかり基本的な手洗いうがいや、換気などを徹底してする必要がありそうですね。


(『めざまし8』2024年7月16日放送より)