札幌市の住宅街の玄関の前でくつろぎ、「クウ~ン」と鳴き声を上げているのは犬…ではなく、キタキツネです。
しかも、目撃されたのは1匹ではなく2匹。
撮影者と距離を取りながらも逃げようとはしません。
別の場所では、鉢植えに体をこすりつける姿も。
自転車に乗る通行人を慣れた様子で避ける様子も見られました。
2024年の今、北海道札幌市内では都市部に暮らすキツネ、いわゆる「アーバンフォックス」が多数出没しています。
『めざまし8』が取材したところ、この1カ月ほどの間で、少なくとも市内15カ所でキツネの目撃情報がありました。
近隣住民:
家の近くにもキツネ出ます。
(家が)繁華街すすきの寄りにはなるんですけど、早朝によく出るみたいですね。
人慣れしたアーバンフォックス。
住民たちを不安にさせているのには、ある理由がありました。
「アーバンフォックス」が危険な理由とは?
近隣住民:
エキノコックスは分かってはいるので。
(キツネが)近くにいたら感染する恐れがあるかなって、ちょっと嫌ではありますね。
「エキノコックス」とはキツネなどに寄生する寄生虫。
フンや体に付着した卵が人間の体内に入ると肝機能障害などを引き起こします。
さらに、アーバンフォックスは、人やペットにも危害を及ぼすことも…。
5月、繁華街ススキノからほど近い住宅街にある公園で撮影された映像には、小さな子供の近くに現れるキツネの姿が捉えられていました。
ボールで遊ぶ親子の視線の先には…キツネが。
撮影した住民:
公園に散歩に行っていたんですけど、そのときにキツネが寄ってきて、私の周りをぐるぐる回って、急に前側に飛びついてきたので、かばって手を出したときに爪が引っかかった。
キツネの爪でケガをしたという女性。
さらに、女性が飼っているペットにも被害があったといいます。
5月14日に撮影された、女性の自宅の防犯カメラ映像には、画面上から目を光らせながら現れたキツネの姿が映っています。
キツネは、何かを見据え、画面下へと向かっていきますが…物音に驚き、逃げていきました。
この家ではペットとして4羽のニワトリを飼育。
しかし翌日、キツネはニワトリを襲いに再び現れたのです。
キツネは体当たりでニワトリの小屋を破壊。中のニワトリ1羽が犠牲になりました。
住民:
ドアを直そうと思って小屋へ行き、いろいろやっていたらキツネが戻ってきた。
5分おきに戻ってくる。
(キツネを)都心部で見かけると、病気も怖いし、襲われたらどうしようってなるし、都市部で見ると怖いです。恐怖の存在です。
一体なぜ、「アーバンフォックス」は市街地で暮らすようになったのでしょうか。
専門家とキツネがよく出没する公園を取材
キツネの生態に詳しい、北海道大学の池田貴子特任講師に伺いました。
北海道大学 池田貴子特任講師:
人慣れが進んだ個体が増えてきたというのがある。
度々、キツネが目撃されているという札幌市内にある公園に池田さんと行ってみると…。
北海道大学 池田貴子特任講師:
(容器に)このバラバラ具合と、穴の開き方が、かじった痕かも。
すぐ(ゴミに)アクセスできる形で放置しちゃうと、(キツネを)誘引する材料になる。
池田さんは、「放置されたゴミや餌付けによりキツネが人に慣れ、都市部での行動が活発になっているのではないか」と指摘。
キツネは「鳥獣保護管理法」で保護される野生動物に指定されているため、原則、駆除などはできないということです。
(『めざまし8』 2024年6月10日放送より)
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