<中村映里子 コメント>
――台本や原作を読んだ印象は?
脳の病気や後遺症のこと、そこで闘っている脳外科医や患者さんとその家族や周りにいる人たちのことがとても誠実に描かれていました。一括(くく)りにはできない、さまざまなメッセージを投げかけてくれました。
また、記憶障害がある脳外科医のミヤビが、今しかない今を全身全霊で生きて患者と向き合っていくさまは、とても魅力的で、現代を生きる私たちが失いかけてしまっているかもしれない大切な何かに気づかされるような気がしました。
――中村さん演じる赤嶺レナを、どういう人物ととらえていますか?
赤嶺レナという人物のこれまでの人生をたくさん想像しました。俳優として強い意志を持ちながら、懸命に諦めることなく生きてきた女性だと思っています。そんな人が脳疾患の後遺症で失語症患者となってしまいます。
生半可な気持ちでやれるような役ではないと、言葉を失う、ということにも必死で向き合わせていただいたつもりなのですが、ずっと不安でした。“心”をめいっぱい使って演じるしかないと思いながら臨んでいました。
また、現場ではYuki監督を始めとするスタッフのみなさん、共演者のみなさん、医療監修の先生方のお力に助けていただきながら演じられたと思っています。
――『アンメット』がほかの医療ドラマと違う魅力をあげるとすると?
医療現場のリアリティや、医師、患者やその家族たちの心を限りなくまっすぐに描こうという挑戦をしているチームが作っています。ものすごいパワーを持ったドラマになっていくような気がします。
――共演する杉咲さんや、若葉さん、風間さんの印象、撮影中のエピソードがあればお願いします。
杉咲さんと若葉さんはお二人とも、こなすということを絶対にしない俳優さんでした。どのシーンでもすみずみまで追求されている姿、肚(はら)から演じていらっしゃる姿は、現場に信頼感と安心感を作ってくれているように感じました。共演させていただけて幸せでした。
夫役の風間さんも、作品がいかに良くなるかを常に考えていらっしゃる俳優さんでした。 やさしく気さくなお人柄も含め、風間さんがとても深く丁寧に寄り添ってくださったことにとても感謝しています。
――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
失語症の症状の程度は人によってさまざまだそうですが、レナはどのように言葉を失ったのかという描写や苦悩を見ていただき、失語症への理解が少しでも広がればいいと思います。
レナが言葉を失った暗闇の中で、一緒に光を探してくれる家族や医師たちとの関わりを見ていただけたらと思います。そこに静かに強く振動しているものが、すべての人へ、それぞれの形で響いてもらえれば幸いです。