宮藤官九郎から見た小池栄子「できないとは言わないところがカッコいい」

──主演の小池栄子さん、仲野太賀さんは、宮藤さんからのリクエストでキャスティングされたそうですが、お二方の魅力や期待していることがあれば聞かせてください。

小池さんは、僕が書いた舞台や映画に出てもらったことも、役者として共演したこともあり、いろいろと一緒にやらせていただいていますが、瞬発力、破壊力がすごいですね。

あとは、本当に楽しそうに笑ってお芝居をする小池さんを見ると、すごく魅力的だなと思います。嘘がないんですよね。

絶対に「できない」「無理」とは言わないところもカッコいい。今回、英語と岡山弁しかしゃべらないし、小池さん自身がやったことがないっていう手術の芝居までしなきゃいけないですし、本当は嫌だと思うんです。それでも、今のところ「できない」とは言っていないので、すごいなと思っています。

──仲野さんはいかがですか?

自分をカッコよく見せようとしない、嫌な奴の役をやったときにちゃんと「ほんと憎たらしいな、こいつ」と思われるところまでやってくれる人って、今すごく貴重だと思うんです。

以前、ドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ)で“ゆとりモンスター”の役をやってもらったのですが、太賀くんの演じ方が本当にすごくて。説明が難しいんですけど“ホンモノ”に見えるというか。しかも今の状況に甘んじず、常に進化しているというか。だからみんな太賀くんのこと好きなのかもしれない。

今、みんな太賀くんと仕事をしたいと思っていますよね。いろいろな作品に出ていて、いろいろな役をやっていて、どの役を演じても素晴らしいですから。

朝ドラ『虎に翼』(NHK)に出て、2026年には大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)の主演も決まっていて。だから逆に『新宿野戦病院』で、ちょっと好感度下げといたほうがいいんじゃないかと思って、あえて“嫌な奴”の役にしています(笑)。

──仲野さんが演じる高峰亨がちょっと鼻につくキャラクターなのは、そういう意図なのですね。

太賀くんは“嫌な奴”を演じるのがうまいですから。先日「ポルシェ乗ってるからね」と言う場面を現場で見た時、絶妙な表情で、ほんとムカつく奴だなぁと思ったんです。でも、それがちゃんと表現できるって、本当にすごいなと思いました。