『新宿野戦病院』は『池袋ウエストゲートパーク』『木更津キャッツアイ』の流れの最新作

──1月期に放送され、大きな話題を呼んだドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS)後の脚本作品ということで期待も大きいですが、本作はどのような思いで制作していますか?

『不適切にもほどがある!』もことさら一石を投じてやろうと思ったわけではなくて、いつも通り作ったらすごくいろいろな人が話題にしてくれて、結果、ありがたかったなという感じなんですけどね。

僕のゴールデン(タイム)の連ドラデビュー作は『池袋ウエストゲートパーク』(TBS)でした。池袋は大学のときに通り道だったけど、よく知らない街で。でも、実際に歩いてみて、原作を読んで、「こういう街には、こういう人たちが住んでいるんだろうな」ということを想像しながら作った作品です。

その後、『木更津キャッツアイ』(TBS)を作って、今作は、実在する街シリーズの最新版かなと思っています。

「歌舞伎町に行ったらあの医者たちがいるんじゃないか」「歌舞伎町のあの角を曲がったら(今作の舞台になる)聖まごころ病院があるんじゃないか」「トー横に集まっている若者のなかに、登場人物がいるんじゃないか」と思ってもらえるような、身近な作品になったらいいなと考えています。

医療ドラマはたくさんありますが、患者さんの人生が描かれる作品にしたいと考えています。歌舞伎町という土地柄、一風変わった病気にかかる人がいて、大きな病院で診てもらいたいけど診てもらえない事情があったり、そういうところも描きたいと思っています。

取材をするなかで自分が感じたことなのですが、あまり知られていないことですし、ドラマで書きたいなと。だから、お医者さんたちのバックボーンは、序盤はあまり出さないようにしています。

──河毛俊作監督からのオファーで本作の脚本を担当することになったそうですが、河毛監督の印象や期待していることを聞かせてください。

80年代、90年代のドラマを見ていて、フジテレビのドラマには、“フジテレビのドラマらしさ”があると思うのですが、河毛監督はきっとその下地をつくられた方。

そんな方と23年前に『ロケットボーイ』(フジテレビ)を一緒にやって、そのときにも感じたんですけど、言葉で説明するのは難しいですが、意外とウェットじゃないというか、割と乾いている印象です。そこは期待というか、河毛さんの演出を想定して脚本を書いています。