塩野瑛久 自称・恋愛マスターは「イケメンオーラを過剰に出さないように」
――どんなふうに役作りをしていったのか、過程を聞かせてください。
塩野:僕は台本を読んで感じた大儀見の雰囲気と、周平くんがもってきた大儀見の雰囲気がいい意味ですごく違っていて、それに合わせて夢川のキャラを作っていった感じです。
周平くんって強そうじゃないですか。体つきもそうだし、刑事役としての説得力もある。準備稿ではもっとひ弱でナヨナヨした描かれ方だったのに、撮影に入る段階では威圧感のある人物に仕上がっていて、「そうきたか」と感じました。

野村:ナヨナヨしていて気持ち悪さがあると「この人、何かやらかしそう…」ってなるじゃないですか。それはイヤだったので、(演じるうえでも)あえてちょっと屈強な雰囲気を心がけました。
塩野:衣装合わせのときに周平くんは「もっと気持ち悪い口調にしたほうがいいのか?」や、「束ねた髪を下ろして不潔っぽくしたほうがいいのか?」という提案をしていましたよ。
野村:俺、もう忘れてる(笑)。ありがとう。見た目でどういう人物かある程度伝わるだろうから、見た目って大事ですよね。

塩野:この作品は大きな波があるわけではなく、淡々と捜査をしていく物語。二人のビジュアルやキャラクター性が重要だと思いましたし、完成した映像を見たら絵になるコンビに仕上がっていて、さらに、ちゃんと地に足がついた状態でストーリーが進行していくところがよかったです。
夢川のビジュアルは、衣装さんから「サスペンダーを着けたいけど、(プロデューサーや監督から)ダメと言われそう」と話があって、「多分、OKが出るから着けちゃいましょう。僕は好きですよ」とその格好で出ていったら皆さんの反応もよく、「よし、来たな」と。
モテ男というのもイケメンオーラを過剰に出すより、作り込みすぎないほうがいいと思ったので、視聴者の皆さんが違和感をもたない程度にナチュラルでいることを意識しました。