2025年放送の前回に続き、ナレーションを担当した岡崎さん。収録後にインタビューし、さまざまなママや常連客が登場するなかでの印象的な場面、物語にちなみ、岡崎さん自身の父娘の関係性などについて聞きました。
岡崎紗絵 塙山キャバレーは「人間のあたたかさが凝縮されている場所」
――後編もいろいろな方が登場しますが、特に印象に残っている人はいますか?
みなさんインパクトが強いですが、10年来の常連客・高野さんが印象的です。過去に(2022年に亡くなった)常連客・のぼるちゃんを元気づけたときの言葉にすごくグッときました。「人生何やったっていいの」「今日もいい一日にしちまえ」なんて、カッコいい!私の心にもすごく響いて、励まされました。
――ママもお客さんも、言葉に力がある人が多い印象です。
そうですよね。みなさんさまざまな人生を送っていて、仲間の言葉に背中を押され、救われているのだろうなと思います。
――ママたちが塙山キャバレーの存続をめぐり話し合うなかで、若手の店主からは「この昭和のシステムの飲食店は、今の時代に生き残れないのでは」という意見も出ました。
ママたちは、最年長・80代の京子ママがまだお店を続けているから、その背中を追って元気にやっていきたいと願っていますが、確かに現実的には…という見方もあって。どちらの気持ちも分かります。
――思春期の“いさかい”をきっかけに10年間も口をきいていない父娘が、和解のためそろって塙山キャバレーを訪れ、語り合う場面もありました。
父と娘の関係は、きっと誰でも身近に感じるものがあるのではないでしょうか。この親子も、まさか10年間も話さなくなるとは思いもしなかったのかもしれません。だからこそ、関係を取り戻そうと思う心がどこかにあり、その最初の舞台が塙山キャバレーだったという。
あまり硬くならずに、みんなでワイワイ話す砕けた雰囲気だから良かったのだと思います。途中でほかのお客さんも親子の会話に入ってきましたし(笑)。いろいろな人にとって“人生をやり直す場所”になっているのだと思います。本当に素敵ですよね。
――隣で話を聞いていた常連客が「羨ましいなぁ」とつぶやいていました。
それにまた気持ちがあおられて、お父さんも本音がこぼれて涙して。その人に隠されていた胸の内が、あらわになる場所ですよね。
――岡崎さんはお父さまと2人で飲みに行ったことはありますか?
ないです(苦笑)。静かで私たちの声しか聞こえないようなお店だと緊張しそうなので、塙山キャバレーのような場所に手伝ってもらいたいです。人の活気には、緊張感を和らげてくれる力があると思います。
――お父さまとじっくり話してみたいことはありますか?
何を話そうかな…父が今の私と同じ年齢の時は何を考えていたか、とか。塙山キャバレーで話すとしたら、やっぱり人生について聞きたいですね。
――改めて、岡崎さんが思う塙山キャバレーの魅力を聞かせてください。
毎日のように来ていた常連さんが突然来なくなって、心配になったママが自宅まで様子を見に行ったり、電気代を代わりに払おうとしたり、なかなかないことですよね。
人と人の関わり方がとても深く、今の時代には珍しいと思います。10代、20代の方は、そういったつながりを見たらびっくりするかもしれません。ネット社会で、人の輪に入らなくても生きていけるような時代ですが、塙山キャバレーはみんなが支え合って成り立っている、人間のあたたかさが凝縮されている場所だと思います。
予告動画
YouTube「フジテレビドキュメンタリー」では、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。7月12日(日)14時~「酒と涙と女たちの歌4〜塙山キャバレー 存続の危機〜後編」予告。
無料配信スケジュール
6月21日・28日放送「私が踊り続けるわけ5~60歳 還暦のストリッパー物語」前後編(語り:本仮屋ユイカさん)~7月26日まで。
7月5日・12日放送「酒と涙と女たちの歌4〜塙山キャバレー 存続の危機〜」前後編(語り:岡崎紗絵さん)放送直後~8月9日まで。
