上垣皓太朗フジテレビアナウンサーが、元フジテレビの青嶋達也アナから受けた“競馬実況のアドバイス”について明かしました。

2024年に入社し、その落ち着いた声色や語り口でさまざまな番組に出演している上垣アナ。現在は『めざましどようび』『めざましテレビ』『街グルメをマジ探索!かまいまち』のほか、2026年4月スタートの音楽番組『STAR』のMC、『中央競馬ダイジェスト』のナビゲーターも務めています。

4月5日に中山競馬場で開催された「美浦(みほ)ステークス」でレース実況デビューを果たすと、「初実況とは思えないほど上手」「丁寧で聞きやすい」と話題に。5月3日の「プリンシパルステークス」で2度目の実況に挑みました。

そんな上垣アナにインタビュー。憧れの青嶋アナからの言葉や、実際に経験したからこそ感じる競馬実況の難しさ、今後の目標について聞きました(前後編の後編)。

上垣アナ「なぜ呼べなかったのか。エーデルゼーレに申し訳ない気持ち」

――上垣アナは、元フジテレビで現在はフリーアナウンサーの青嶋達也アナに憧れているそうですが、本番前に何かアドバイスは受けましたか? 

美浦ステークスの前に「普通にやるのが一番」と言っていただいたことが、すごく印象に残っています。

準備と練習は非常に大切ですが、本番の実況はそれぞれのレース、それぞれの馬のためにあるものです。ジュタならジュタ、シャドウメテオならシャドウメテオ、各馬がそれぞれの理由でそのレースに出走しています。

たくさん積み重ねてきた実況練習は、本番を支える土台になりますが、目の前で起きていることを最優先に言葉を選んでいかなければ「私はこんなにできるんです」という“披露会”になってしまいます。

「普通にやるのが一番」という言葉には、そういった考えが集約されているのかなと思います。

――実際に経験したからこそ感じる、競馬実況の難しさについて聞かせてください。

難しいことだらけです。美浦ステークスのときは、馬がコースの内側と外側どの位置を取っているかほとんど言及できませんでしたし、3着のヤマニンアドホックの名前も呼べませんでした。

プリンシパルステークスも危うい実況でした。スタートからゴールまで2000メートルの間に、私はエーデルゼーレの名前を一度も呼んでいないんです。エーデルゼーレは2番人気で3着だった上に、多い馬は約4回も名前を呼んでいたのに。ゴール後に「3着はエーデルゼーレか」とは言っていますが、あくまでゴール後。エーデルゼーレに対して申し訳ない気持ちです。

「なぜ呼べなかったのか」と改めて振り返ると、スタンドの向かい側(向こう正面)をカメラが捉えているときに、エーデルゼーレはコースの外側を走っていて前の馬に隠れていたんです。

直線コースに入ったときはオルフセンとほぼ並ぶかたちで、私は1番人気のオルフセンに視線が行ってエーデルゼーレを見逃してしまいました。自分の“心の隙”が現れたのだと思います。もっと広い視野と冷静な視点で、すべての馬をきちんと追わないといけないと痛感しました。

さらに細かく突き詰めると、東京競馬場でこの距離のレースの場合、フジテレビのカメラはどこから構えているのか、それならどの場面で馬が見えにくくなるか、ということも把握していないといけません。競馬自体はもちろん、競馬中継の仕組みにももっと詳しくならないと、と思いました。