Jホラー界の巨匠として知られる、清水崇監督の最新作『だぁれかさんとアソぼ?』が2026年7月24日に全国公開。主演をFRUITS ZIPPERの鎮西寿々歌さんが務めることが発表されると、大きな話題を呼んでいます。

今回は、次々と新たな恐怖を生み出してきた清水監督に、めざましmediaがインタビュー。
鎮西さんと初対面した時の印象やホラー映画を作る上で大事な“恐怖の作り方”の条件、また、現在も多くの人々が恐れる映画『呪怨』の“とある名シーン”が誕生したきっかけも語ってくれました。

若手俳優から“恐怖の感情”を引き出すコツとは…

『呪怨』シリーズを手掛け、ハリウッドリメイク版として世界中で公開された『THE JUON/呪怨』で日本人監督として初めて全米興行収入1位を記録し、世界を震撼させたJホラー界の巨匠・清水監督。近年では、『犬鳴村』に始まる《恐怖の村》シリーズ3部作(2020年~2022年)、『忌怪島/きかいじま』(2023年)、『口に関するアンケート』(2026年)など、短いスパンで数々の恐怖を作り出しています。

最新作『だぁれかさんとアソぼ?』は、若者の間で密かに流行る「学校の誰もいない階段。その13段目。カセットテープに日付と名前を吹き込むと、名前を吹き込まれた人は死ぬ」というカセットテープにまつわる“絶対にやってはいけない遊び”を実行した学生たちと、学校に招聘(しょうへい)された心理カウンセラーの平瀬小春が、恐怖の連鎖へと引きずり込まれていく物語を描く学園ホラーです。

――今作では、“カセットテープ”がキーアイテムになっていますが、なぜカセットテープに目をつけたのでしょうか?

僕は誰でも接するような、日常の当たり前の風景から入るのが好きで。そこからありえないことが起きても、ちょっとリアリティーをもって入ってもらえるように、入口は日常的なところが好きなんです。

階段も好きで、階段を使って映画独自のコックリさんのような、令和の今に流行ってもおかしくないものをやりたいと思っていました。でも、そのままだと面白くないし、スマホだと便利すぎるので、一手間かけたカセットテープに吹き込む形にしました。

今作のターゲットは中高生をベースにしていたので、今の10代にとってカセットテープは、両親が使っていたのを見たことがある、家に1台あったけど触ったことはないといったレベルだと思います。それくらいの古さがあった方が、何か怖い感じがするのではと思ったので、そこを組み合わせた形です。

――10代をターゲットに制作を進めたんですね。

そうですね。僕もその年齢層の目線に精神年齢を下げましたが、さすがに50歳を過ぎて、今のリアリティーが分からないので、そこは出演した子たちに直接聞いていました。
オーディションの時には、自然と彼らから出てくる言葉で「好きバレ」という言葉を知りました。好きがバレちゃったことを省略しているのだとか。劇中の流れが合えば、そういう言葉も台本に反映させています。

あと、僕も娘や息子が中学生と高校生なので、セリフの言い方や語尾などを確認して、作品に取り組みました。

©️2026「だぁれかさんとアソぼ?」製作委員会

――出演者は10代~20代と若手俳優が集結しています。ホラー映画に初めて出演する方もいましたが、どのように“恐怖の感情”を引き出したのでしょうか?

撮影はシーンの順番通りではなくバラバラに撮るので、怖がる演技というのは、その人の感情をリアルに生かす感じなんです。

最初は誰でも、「この場面はどのレベルですか?」「どれくらい声を出せば?」など大体聞いてきます。でも、僕は別に正解を出せるわけではないので、「ここは演じるあなたが作らなきゃいけないところだから、台本を読んで、これくらいかな?と思ったことをまずはやってみよう」と、やってみてもらいます。

その上で「なるほど。そのパターンもあるけど、じゃあこういうのはどう?」「次は、声を出さずにやってみようか」など、テストの間に試しながら、俳優本人の中でも僕の中でも一緒に探っていきました。

――役者自身の解釈をベースにしながら、現場で感情を膨らませていくんですね。その中で、監督から何か具体的なアプローチや演出の工夫をされた部分はあるのでしょうか?

なるべく気持ちでやって欲しいので、何も見えていないところで演技をする時に何かあった方が良ければこっちで用意するし、人によってはサプライズをしてみることもあります。清水組には川松尚良という、ホラーに長けている助監督がいまして。

特殊メイクや造形デザイン、ホラー映画もいっぱい見ていて好きなので、ホラー担当と呼んでいるんですけど、そんな彼が「監督、本番の時に僕が隠れて、脇からいきなり鎮西(寿々歌)さんに向かって声を出してみてもいいですか?」と提案してくるんです。「じゃあ、やってみようか」と、その場で試してみましたが、結局 鎮西さんは「え?なに?」くらいの反応で、失敗に終わってしまいました(笑)。

「あぁええ子やなぁって」主演・鎮西寿々歌の第一印象を明かす

今作の主演を務めた鎮西さんは、2009年から2013年にかけNHK『天才てれびくん』シリーズで“てれび戦士”として活躍。その後もタレント活動などを経て、2022年4月に7人組アイドルグループ・FRUITS ZIPPERのメンバーとしてデビューを果たしました。
2025年7月にはファッション誌『ViVi』の専属モデルデビューも果たし、グループだけでなく個人でも活躍の場を広げています。

©️2026「だぁれかさんとアソぼ?」製作委員会

――鎮西さんの第一印象はいかがでしたか?

FRUITS ZIPPERさんは僕も知ってはいました。鎮西さんを知った時は「ちょっと…可愛らしすぎるんじゃない?」と思っていましたが、 一度お会いしてみたら、屈託のない話しやすい子で。

ネガティブな出来事があっても、返しが上手いというか、全然暗くならないですね。『天才てれびくん』で“てれび戦士”をやっていたと聞いて、小さい時から大人との狭間で人前でやってきた子が、今、屈託のない純粋な感じだったら清水組でもいけるなと感じました。

それと僕はあまのじゃくなので、明るいオーラがある子を真逆に持っていきたくなるんです。鎮西さん本人は、お芝居に相当自信がなく、プレッシャーを感じていたようですが、全く顔に出さず。クランクアップの時に「実は自信がなかったので…」と泣き出して、「あぁええ子やなぁ」と思いました(笑)。

若手俳優と共にホラー映画作りに試行錯誤した清水監督。
そんな数々の恐怖を生み出す上での重要な“恐怖の作り方”の条件を3つ挙げてくれました。