――2度目の実況本番となったプリンシパルステークスの手応えはいかがでしたか?
初実況のときとは違いました。良い意味で言うと、「1回目と比べて自分は何を上積みできるのか」と考えられたことが収穫でした。1回目は「どんな実況ができるのか」と関心を寄せていただいたところもあったので、その重圧も感じていました。まだまだ課題のほうが多いので、一歩一歩力をつけていかないと、と思っています。
――YouTubeチャンネル「【公式】フジテレビアナウンサーch.」に投稿されている動画「【上垣アナ】競馬実況への道」では、2025年8月からの練習風景が紹介されています。
練習自体はもっと前、2024年12月頃から始めていたので、準備期間としては1年3ヵ月ほどになります。練習期間の後半にあたる昨年夏から、竹俣紅アナをはじめさまざまな人に、YouTube用にカメラを回してもらっていました。
『中央競馬ダイジェスト』の取材・原稿執筆・アナウンスも訓練に
――練習で蓄積してきたさまざまな言い回しが、実況で形となったのでしょうか。
そうだと思います。たとえば「前に出てくる」という一言をとっても「進出」なのか「伸びてくる」なのか、「かわす」「捉える」「スパート」あるいは「差し脚(さしあし)」…いろいろあります。一つの言い回しに頼ると面白みがなく平板な実況になってしまうので、さまざまな言葉を繰り出さなければいけません。
また、『中央競馬ダイジェスト』ではナビゲーターとしてナレーションを担当しており、ナレーション原稿も自分で書いているのですが、これも実況の訓練になっていると感じています。
(レースがある日は)朝から競馬場に行って全レースを見て、レース展開を12秒程度の原稿にまとめて、自分で読む。競馬場では騎手のいる検量室周辺などで取材もして、いろいろな角度から原稿を面白くしようとするのですが、ナレーションの時間は限られているので、情報を取捨選択しなければなりません。
勝ち馬の名前、道中の位置取り、進出のタイミング、着差、騎手の判断、騎手にとって何勝目か、それにまつわるストーリー、馬の血統、配当…いろいろな要素の中でもっとも特筆すべきはどれか。それにふさわしい言葉選びを考えることが、実況の練習につながっています。
――騎手の勝負服のイラストや馬の情報を書いた「かるた」を手作りして覚えたそうですね。
倉田(大誠)アナに「『かるた』のような暗記カードを作ってみるといい。僕もやっているよ」と教えてもらい、作ってみました。表には騎手の服の色を塗り、裏には馬名と、馬や騎手の情報、自分で覚えておきたいトピックなどを書いています。このおかげで情報をしっかり覚えられたので、これからも実況の際は恒例にしていこうと思っています。
実況におけるいろいろなことを、競馬担当の先輩アナウンサー方がとても丁寧に教えてくれます。
