3月22日(日)、パラアイスホッケー日本代表のエース・伊藤樹選手(20)に約11年間密着したドキュメンタリー『ザ・ドキュメント 氷の上で、生きていく~ミラノへの11年~』が放送されます。

本作は、8歳で事故に遭い下半身不随となった伊藤選手が、ミラノ・コルティナパラリンピックの舞台に立つまでの「成長の軌跡」と、ともに傷つきながらも夢を追った「母子の葛藤と絆(きずな)」を描くドキュメンタリー。

このたび、ナレーションを担当する、俳優・松坂桃李さんよりコメントが到着しました。

8歳で夢を諦めた少年がミラノ・コルティナパラリンピックの夢をつかむまでの11年

2015年、当時8歳だった伊藤選手は、母・紅子さんが運転する車でアイスホッケーの練習に向かう途中、交通事故に巻き込まれ、脊髄を損傷。車いす生活を余儀なくされました。

センターラインをはみ出してきた対向車との衝突による事故でした。紅子さんも、右足を粉砕骨折する大けがを負い、一時は車いすで生活での生活を余儀なくされました。事故後、伊藤選手は夢だったオリンピック出場を諦めました。

失意のなか、伊藤選手は9歳でパラアイスホッケーに出会い「パラリンピックに出場する」という夢ができます。その夢が、紅子さんの夢にもなりました。

「運転は怖いけど、(アイスホッケーを)やりたいというから、やらせたい」――。紅子さんは、事故の影響によるトラウマを抱えながらも自らハンドルを握り、どんな場所でも練習へ向かう息子の送迎を欠かしませんでした。

左から)紅子さん、伊藤選手

カンテレでは、約11年間にわたり伊藤選手を取材し続けてきました。

4年前に放送し、国内外で多数のを受賞した前作『ザ・ドキュメント きっと届く、氷上で見た夢 ~息子と母 7年の軌跡~』(2022年3月放送/カンテレNEWS YouTubeで配信中:https://www.youtube.com/watch?v=cS2UptVEk9Q&t=3s)で、伊藤選手は年齢制限により北京パラリンピックの予選大会にさえ出られず、チームも敗れました。

ときが流れ、高校を卒業した伊藤選手は、母の元を離れ、単身アメリカで修行する道を選びます。すべては、母と夢見続けた、パラリンピックの舞台に立つため。

2025年11月、ミラノ・コルティナパラリンピックへの切符をかけた最終予選。絶望的な状況から起きた逆転劇。伊藤選手が「ホッケーの神様が、まだ俺らにホッケーしてもいいって言ってくれた」と震えるほど、劇的なパラリンピック出場決定の直後、口にしたのは母への思いでした。

パラリンピック出場を決めた日本代表

「人生終わったと思ったところから、俺の人生が始まってるんで」。

番組では、そう語る伊藤選手の少年時代からの歩みを振り返るとともに、母と追い続けてたどり着いた夢の舞台、ミラノ・コルティナパラリンピックでの奮闘に密着。日本のエースとしての活躍はもちろん、長年密着し続けた取材班に垣間見せた、等身大の素顔を記録しました。

松坂桃李さんは、主演を務めたドラマ『パーフェクトワールド』(2019年/カンテレ・フジテレビ系/TVerで期間限定無料配信中:https://tver.jp/series/srfa9apdu1)で、事故が原因で下半身不随となり車いすで生活する建築士を演じました。

役名は、鮎川樹。伊藤選手の名前と同じ“樹”。

放送当時、中学生だった伊藤選手は、役名が同じということはもちろん、車いすユーザーの葛藤を表現した、松坂さんの演技を見て「これ俺やん!」と深く共感していたといいます。

『ザ・ドキュメント  氷の上で、生きていく~ミラノへの11年~』(関西ローカル)は、3月22日(日)16時より、カンテレで放送されます。