<河相我聞 コメント>

小柳孝四郎(河相我聞)

今回は、ピュアで心のやさしい人物を演じられて、素直にうれしかったです。また、息子が成長していくにあたって、人として大切な相互の尊重を説く大切な役割がある役なので身が引き締まる思いでした。

第1話でロンに「親仁善隣」の意味を「隣人を等しく助け、思いやって生きよう」と語るんですが、あの言葉が孝四郎という人物の軸であり、役の根幹だと感じていました。その考えを中心に人物像を組み立てていくと、誰に対しても分け隔てなく接する人として演じるのが一番自然だと思い、演じています。

孝四郎については、回想シーンの中で少しずつ人物像が見えてくる構成になっています。一つひとつの回想を丁寧に演じて、前後の流れの中で「なるほど、そういうことだったのか」と自然に伝わるよう意識していました。

これまで誤解されていた出来事や嘘だと思われていたことが、時間を遡(さかのぼ)りながら段階的に解きほぐされていく作品だからこそ、その繊細なニュアンスが伝わるよう心がけて演じています。

また、不二子役の伊藤歩さんとは、初共演でして、とても繊細なお芝居をされる方なので、その場の空気感を大事にしながら、いかにも作られた回想シーンにならないよう意識していました。

画面を見た瞬間に、孝四郎が重ねてきた時間を感じてもらえないと意味がないと思うので、その部分には一番、神経を使って演じました。

左から)小柳孝四郎(河相我聞)、南条不二子(伊藤歩)

ロンにとって、お父さんの存在はとても大きなものですから、その関係性がきちんと描けているかどうかが、ひとつのポイントになると思います。見どころ、というほど大げさなものではないかもしれませんが、物語が進んでいくにつれて、父親に対するロンの気持ちも少しずつ描かれていきます。

その部分については、自分なりにいろいろと考えながら演じてきましたし、そうした積み重ねが、きちんとした形で画面に表れているのではないかと感じています。

僕にとって子どもたちは、本当に大切で、かけがえのない存在です。自分を本当の意味で大人にしてくれたのも、やっぱり子どもたちだと思っています。もし子どもがいなかったら、今とはまったく違う、もっとチャランポランな人生を送っていたと思います。それくらい、当時の自分はひどかった(笑)。

10代で父親になって、「このままじゃまずいな」と本気で思ったのが、大きかったですね。そこから少しずつ生活や考え方を変えていって、気づけば人としてちゃんとした部分が身についてきた気がします。子どもたちには、本当に感謝しています。

料理人の役ですが、僕も家で作るんです。子どもたちが一番好きなのは、生姜焼きです。

最終話では、孝四郎の死の真相も含めて、小柳家の過去がいよいよ明らかになります。共演者のみなさん、本当に素敵な方ばかりなので、きっといい作品に仕上がっているはずです。横浜という街が持つ独特の空気感や、映像としての美しさも大きな魅力になっていると思います。僕自身も完成を見るのが楽しみですし、ぜひ、みなさんにも、物語の行き着く先を一緒に味わいながら楽しんでもらえたらうれしいです。