<北村有起哉 コメント>
――主題歌を松任谷由実さんが担当すると聞いたときは、どう思いましたか?
ちょうど昨日(インタビュー前日)、サブスクで“松任谷由実ベスト”のようなプレイリストを聴いていたばかりだったんです。どれも耳になじみのある名曲ばかりで…。そんな数々の名曲を生み出してきた松任谷さんが、今回、ドラマのために新曲を書き下ろしてくださったと聞いて、本当にうれしかったです。
実際に対面でお会いする機会もあり、少しお話をさせていただいたのですが、第一声から「やっぱりすごいな」と圧倒されました。素の声だけでも響きがすごくて、まるで地面を通じて足元まで伝わってくるような感覚でした。そして、とても気さくに話しかけてくださり、そのお人柄にも感動しました。
――『天までとどけ』を聴いた印象は?
本当にこのドラマの世界観にぴったりな、素晴らしい曲だと思いました。僕は、役作りをする際に、勝手にその役に合いそうなテーマソングを選んで聴くことがあるのですが、今回はまさにこの『天までとどけ』を渉がよく聴いているのでは、と思いながら耳にしています。
そうして聴いていると、思わず涙があふれそうになるんです。心にすっと染み込んでくるんですよね。例えるなら…すきっ腹で日本酒をギュッと飲んだときのような感覚というか(笑)。そんなふうに、深く染みる曲です。
――ドラマのタイトルともリンクしています。
『小さい頃は、神様がいて』というタイトルを聞いて、「でも、今は大人になったら…」という考えが浮かびました。
渉とあんにとっても、子どものころには“神様”のような存在を信じていたはず。でも、大人になるにつれて、それがだんだん信じられなくなって…。それでも、大人になった今だからこそ、「祈る心」や「願う気持ち」を大切に持ち続けることが必要なんだと、改めて感じました。
人間は、何千年もそうやって祈りを持ちながら生きてきたはずですからね。この作品の中でも、渉がどこまで“諦めず”にいられるのか。そして、最終回をどう迎えるのか…僕自身もとても楽しみにしています。
――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
三家族が織りなす、アンサンブルのような温かい物語です。 岡田さんのオリジナル脚本で、“クスッ”と笑わせてくれたかと思えば、気がつけば泣いている、そんな岡田さんらしいシーンがたくさん散りばめられています。
この作品を通して、少しでも癒されたり、心が軽くなったりしていただけたらうれしいです。そして、人と人とのつながりって、やっぱり悪くないな、と思ってもらえたらと思います。
今はどこか人との距離を遠ざけがちな時代ですが、その面倒くささや勇気を超えて、つながることの意味をこのドラマが伝えてくれるはずです。最初は「今どき、こんなのないよ」と思うかもしれません。でも放送を重ねるごとに、三家族の絆がどんどん深まっていき、そのつながりがきっと説得力を持って伝わると思います。
ぜひ、初回からご覧いただいて、最後の最後まで見届けてほしいです。本当に、僕の願いも“天までとどく”とうれしいですね(笑)。
