──今回は水野美紀さんと整形前後で自身と同じ人物を演じますが、難しさは感じていますか?

25歳の姿だけど中身は55歳だという意識を持ちながらお芝居をする難しさを感じています。ですが先日、水野さんから、50代の方の実情をお聞きして。腰が痛いとか、スマホはどれくらい離して見るかとか(笑)。教えていただいたことはお芝居に取り入れていきたいです。

ほかにも、「体力がすごく落ちる」ということをおっしゃっていたので、その雰囲気を出しながら25歳を装うお芝居も難しそうですね。でも、それも楽しみながら演じられたらと思っています。

──複雑な役柄ですが、演じる際に意識していることは?

ドラマでは、私が演じるレイコの姿から、水野さんが演じる玲子に切り替わる瞬間が何度もあるのですが、その際の佇まいや表情は水野さんと共有しながら、同じ人物である軸をしっかりと持てるように頑張りたいなと思っています。

齊藤京子 母親役に不安をのぞかせるも「貴重な機会を楽しめたら」

──水野さんと「こういう感じでいこう」などと話すことはありましたか?

細かいお話はまだできていません。ただ先日、初めてお会いした際に、タイトルを一緒に読むタイミングがあったのですが、それが息ぴったりだったんです。長いタイトルでしたが、水野さんも「揃った!」と喜んでくださって。この調子で息を合わせていけたらと思いました。

──水野さんの印象を聞かせてください。

もちろん俳優として魅力的な方なのですが、その一方で、バラエティなどではユーモアのある方だというイメージもありました。今回ご一緒させていただくと聞いたとき、すごくうれしかったです。

先日お会いしたときに現場を和ませる姿を拝見して、ついていきたいと思いましたし、W主演として私も頑張りたいなと気合いも入りました。

──母親役となりますが、レイコが育てることになる息子・空役の佐藤大空さんとはどのようにコミュニケーションをとろうと思っていますか?

母親役は初めてですし、母親になった経験もないので不安ではあるのですが、本当に愛していこうと思っています。

私、親戚にも20個年下の子がいないので、どうやってコミュニケーションをとったらいいのか…(笑)。でも、貴重な機会を楽しめたらいいですね。

──主演として、意識していることはありますか?

2年前、ドラマ『泥濘の食卓』(テレビ朝日)で初めて主演させていただいたとき、本当に夢のような毎日で。顔合わせのときも、クランクアップのときも号泣した思い出があります。主演を務めさせていただけることは当たり前ではないので、今回もまた夢のようだなと感じています。

現場では、楽しい現場づくりを意識しています。とにかく笑顔で、皆さんお一人ひとりとコミュニケーションをとっていけたらと思っています。

──今年も残すところあと3ヵ月。年内に達成したいことはありますか?

達成したいこと…今は『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』をたくさんの方に見ていただきたい、というのが一番の思いですね。ドラマは、スタッフの皆さんの準備などを含めると毎日早朝から夜中まで作業があり、私たちも撮影をしながら、次の日のセリフを覚えて…という日々が続きます。

それだけの労力をかけて、思いを込めて作品をつくっているので、1人でも多くの方に見ていただけるとうれしいですね。作品の大ヒットほどうれしいことはありません。年内はこの作品にかけたいです。

撮影:今井裕治
ヘアメイク:正田篤子
スタイリスト:川﨑加織