――コレクションを集めた博物館を作るのはどうでしょう?
この間、自分のコレクションでデニム展を開催したんですけど…どういう形だったら自分が納得できて、周りの方や次の世代の方に喜んでもらえるか、ベストな方法を考えたいですね。
――コレクションは、どのような方法で保管しているのですか?
単に日焼けしないようにとか、そんなに特別なことはしてないけど、大切にしています。自分の中で使うものと取っておくものを決めて、分けています。
――手入れにも時間がかかりそうです。
デニムに関しては、全然かからないですよ。ロットナンバーを付けて段ボールの中に入れておくぐらいです。しかも、デニムって1枚の厚みは大したことないので、100本持っていてもそんなにかさばらない。たたんでおけば大丈夫。
草彅剛「僕はマニアだから、いろんな思いを馳(は)せるんですよ」

――履くものと保管しておくものは、どうやって決めているんですか?
ハッキリとした基準はなくて、履きたくなったら履いちゃう。自分のものだから、値段は気にしないです。
――ちなみに、超高額のものを履くときは、汚さないように気を付けたりしますか?
一度履いたら、そういうのは気にしないです。履くうちに生地がどんどんヘタっていくのが好きで、そこにロマンを感じます(笑)。
僕はマニアだから、いろんな思いを馳(は)せるんですよ。「昔の人がこれを履いてたんだな」とか、「昔のアメリカ人が僕と同じサイズなんだな」とかね。
アメリカ人は1950年ごろを境に体が大きくなったと言われていて、それ以前は僕ぐらいの体型の人が多かったらしいんです。くしくもいろんな偶然が重なって、僕と同じサイズがあって今、僕の手元にある。
だから、ヴィンテージは(香取)慎吾ちゃんのサイズのものって出てこないんですよ。現代のアメリカ人だったら、慎吾ちゃんのサイズの方が多いんでしょうけど、ヴィンテージだと、そうじゃない。
汚れ方とかエイジングには、履いていた人の個性や環境が影響します。僕が履いて付くものと、昔のアメリカ人が履いて付いたものとは違う。働き方も違うし、紫外線の強さも違いますからね。僕は、そういう生地の味わいを楽しんでいます。
――デニムから、過去にそれを履いていた人の生活が見えてくるんですね。
自分が新しい状態から履いたものと、昔の人が履いて白くなったものを比べるんですよ。アメリカ西海岸の紫外線は強かったんだなとか、左側にマッチをすっている跡があったら、この人は左利きだったんだな、というように解析して、昔の人のことを想像します。
その延長で、自分が持っている古着に値段をつけて遊ぶのが好きなんですよ。朝、古着を出してきて値段を書いて値札を貼って。最近の休みは、そうやって遊んでいますね。