――遺品整理の作業をするシーンもあるかと思いますが、役作りはどのようにしていますか?
遺品整理業の方が監修として現場に来てくださって、遺品を扱うときには手袋をするとか、お客様への対応の仕方を細かく教えていただいています。脚本の高橋(美幸)さんも、リアルを追求して、しっかり調べたうえでお書きになっているので、遺品整理とはどういう仕事なのか、みなさんに丁寧に伝わる内容になっていると思います。
遺品整理って、誰にでもいつかは必ず身近なことでありつつ、普段は意識していないことでもあると思います。隠された人間ドラマがあるんだなと今回の脚本で知りました。

超高額デニム所有の草彅剛「責任を持って継承することを考えないと」
――ご自身は、将来的に大切なものをどうするか、考えることはありますか?
整理しないといけないんですよ。考えるのは、やっぱりデニムのことですね。たくさん持っているし、スーパーヴィンテージもあって、ちゃんと考えないといけないなと思いながら、ドラマの撮影が終わってから本気でやろうかなと思っています。
――草彅さんのデニムコレクションは世界的に大変な価値があると聞きます。
だから、ちゃんとしないといけなくて。20年くらい前に買った1930年のバックルバックというモデルの未使用品は、レアだからとっておいて、いつか履こうと思っていたんですよ。買ったときは70万円くらいで、それも十分すごい値段ですけど、20年経った今はかなり価値が上がっていて。
それだけ古い未使用品は(洗濯などの)水も通っていないわけで、そういう生地には資料的な価値もあるんです。

――それほど貴重なものを、どのように整理しているのですか?
今までは、そんなにちゃんとやっていないんです。人にあげたり、売ったりを繰り返すことで本当に好きなものが残って、自然と整理されているというか。でも、僕が死んだ場合にどうするかというところまではまだ考えていなかったですね。
デニムが大好きで、毎日なでたりして楽しんでいるんだけど、そういう愛情だけじゃなくて、後世に残していくべき価値のあるものとして責任を持って継承することを考えないといけないなと。
――スーパーヴィンテージは、世代を超えて受け継いでいくものなんですね。
そう。同じように大切にしてくれる次の世代の人に受け継ぐ必要があります。自分のことしか考えていない人、お金もうけだけが目当てで価値のわからない人の手に渡ってはいけないので…早めに作戦会議しなくちゃ!(笑)