──理事長・尾碕美佐雄役の稲垣吾郎さんとは、映画『正欲』(2023年)以来2度目の共演ですが、再びご一緒していかがですか?

映画『正欲』に続いて今回も、違う価値観を持っている者同士という役どころなので、お芝居では衝突するような場面があって。ですが撮影以外では、前回よりご一緒する時間が長いので、さまざまなお話をさせていただいています。

吾郎さんは今、ドラマの撮影と並行して舞台(『ハリー・ポッターと呪いの子』)をやられているので、そちらについての話もお聞きしました。僕は、吾郎さんを子どもの頃から拝見していて、ミステリアスな方という印象があるのですが、これ程までに自分のことを話してくださるという驚きがありました。

──良い意味でイメージが変わったんですね。

はい。驚いたと言えば、以前、とあるシーンで何回も面白いNGが続いて、その際に涙を流しながら笑っている吾郎さんを見たとき、「吾郎さんもそういう笑い方をするんだ」とビックリしました。このような一面もあるんだと思い、よりいっそう好きになりました(笑)。

磯村勇斗 校則を理不尽に思っていた過去!先生と対立も

──生徒を演じる若手俳優の皆さんとの共演はいかがですか?

10代から23歳まで、若い子たちばかり。自分が俳優を志していた時期が同じような年齢だったので、彼らを見ていて当時の自分のことも思い出しますし、彼らのピュアさやまっすぐさは、自分も忘れてはいけないなと思う瞬間もあります。

本当にみんな可愛くて一生懸命なので、今回は生徒に注目してもらいたいなとすごく思っています。

──第1話では、制服に関する校則と、それに対する生徒の自由についてのお話が描かれます。ご自身は学生時代、校則についてどのように感じていましたか?

第1話は、共感してもらえることが多いのではないかと思います。僕自身は、規則が嫌いな学生でした。今回のドラマでは、生徒がさまざまな校則に不満があって学校で模擬裁判を起こしていくのですが、僕も学生のころは頭髪や制服、あらゆる校則で自由を奪われているのではないかという気持ちになることがありました。

──校則を理不尽に感じることがあったのですね。

「耳の上に髪の毛がかかるのがダメなのは、なぜですか?」、ヘアワックスも禁止だったので「先生はヘアワックスをつけていますが、それはお手本となるべき先生としていいのですか?」といったやりとりを先生としたこともあって。

当時、スクールロイヤーが僕の学校にいたら、スムーズに解決していたかもしれないです。そのため、第1話で描かれる生徒たちの先生に対する叫びは、僕にもわかるなと思いながら撮影していました。

──最後に、ドラマを楽しみにしている視聴者にメッセージをお願いします。

新しい学園ドラマが誕生します。このドラマをきっかけにスクールロイヤーの仕事を知っていただけたらと思いますし、ドラマで描かれる学生たちの叫びを受けて、視聴者のみなさんの青春時代の思い出もよみがえってくるのではないでしょうか。

法で白黒つけられない、さまざまな“グレー”が身の回りにたくさんあるということを、健治を通して見ていただけたらうれしいです。

撮影:今井裕治
スタイリスト:笠井時夢