──忙しいなかでの、リフレッシュ方法を聞かせてください。
月並みになってしまいますが、とにかく友だちと話すことですね。私、1人でいると、ネガティブで暗いんですけど、友だちと話していれば明るくなれるんです。対人スイッチみたいなものが入るからなんでしょうか。
例えば、仕事で落ち込むことがあったら、帰り道ですぐ友だちに「このあと会えない?」と連絡して、会って、話を聞いてもらって、日々何とか生きています(笑)。
──話すことで発散するということでしょうか。
そうですね。しゃべって、気持ちに寄り添ってもらったり、「大丈夫だよ」と言ってもらえたりすると、“つらい”と思っていた気持ちをゴミ箱に移動できる感じがあって。それをしないといつまでも悩んじゃうので、友だちと会うことが私の中ですごく大事になっています。
雨宮天がアフレコ現場に置いてあったらうれしいものは「お煎餅」
──声優としてのお話も聞かせてください。アフレコをする際のルーティンはありますか?
1話の収録やお当番回みたいに緊張する回は、必ず青い服を着てアフレコに臨みます。1話って、やっぱり緊張するんです。その緊張を和らげるために、大好きな青を身にまとうことでパワーをもらっています。

──青色が好きな理由はありますか?
同じ「色」というくくりに青と青以外を存在させていることが、ほかの色がかわいそうだと思うくらい、私には青が美しく見えているんです。それくらい群を抜いて大好きな色。そういう大好きなものからもらうパワーは大きいですね。
──アフレコの現場に置いてあったらうれしいものはありますか?
ねだるわけではないのですが(笑)、お煎餅があるとうれしいです。収録中にお腹が鳴ってしまうのは避けたいですし、小腹がすいたときに食べられるからいいですよね。
特に朝は、甘いものだとちょっと重いですし、お煎餅はお米と醤油でできていておにぎりみたいなものですからちょうどいいかな、と(笑)。醤油味やエビ塩とかいろいろな種類が置いてあったらテンション上がります。
──さまざまな作品に出演して感じている、声優という仕事の魅力を聞かせてください。
1人のキャラクターのなかでもいろいろな声を使うし、普段絶対に言わないセリフを言ったり、使わない声を使ったり、あり得ないことをやれるのが楽しいですね。
『よふかしのうた』のSeason2でナズナが思いっきり「おぎゃー!」と叫ぶシーンがあるんですけど、普段は叫ばないじゃないですか。そういうことが思いきりやれて、それでいてキャラクターとして存在できる。しかも、それが彼女のリアルさにつながっていると実感できると、楽しいなと思います。
あとは見る側の話になりますが、例えば今作に登場する鶯餡子(CV:沢城みゆき)や星見キク(CV:佐藤利奈)って、私は実生活で会ったことがないタイプの人なんですけど、沢城さんや佐藤さんのお芝居を聞いていると「こういう人いるよな」と思わされて。
現実世界では見たことがないのに、リアリティがあるキャラクターに見えるって、声優さんの力だと思いますし、それは声優という仕事の魅力でもあるなと思っています。

撮影:山越隼