──お互いに惹かれ合っていく感情を演技にどのように落とし込んでいこうと思っているか、考えていることがあれば聞かせてください。

木村:愛実は恋愛がすごく下手で、過去に大失敗してしまい、自分に絶望して、引きこもって…そこから始まる物語です。なので、立派な大人なのに、やることにどこか幼さが残っていて危うげな感じを大事にしています。

大人同士の恋愛だけどちょっとクスっとして、青春の匂いすら感じる、青空が似合う感じを表現できたらと思っています。

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──ご自身は、愛実がカヲルを好きになる気持ちは理解できますか?

木村:このドラマはオリジナル作品なので、最終的にどうなるかがわからないですし、これから愛実がカヲルの何に心惹かれていくのか楽しみにしています。

木村文乃&ラウール 名作を手掛けてきた西谷弘監督の演出を受けた感想

──ラウールさんは、愛実に惹かれるカヲルをどう表現しようと思っていますか?

ラウール:カヲルはホストなので、相手に恋愛感情を持たせることを得意としています。ただ、愛を知らないという。

カヲルみたいな純粋な人間は、きっと単純なことがきっかけになるのかなと思うので、徐々に変わるというよりも、タイミングごとにポンッと切り替わるようなイメージで演じようと思っています。

愛実と関わることで愛に気づいて、愛を知って、それを楽しむのか、邪魔だなと思って離れるのか。それが見どころだと思います。

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──西谷弘監督と初めてご一緒すると思いますが、撮影をした感想を聞かせてください。

木村:西谷マジックにかかると、嫌な人が1人もいなくなるなって思いました。登場人物は、際どい人たちが集まっているのですが、その人たちがちょっとずつチャーミングに見えてくるんです。これは西谷監督ならではの演出なんだろうなと思っています。

ラウール:僕は俳優としてお仕事をさせていただくときは、自分自身を隠さずに現場に入るのですが、ちょっと概念が変わりそうな気がしています。

クランクイン前に監督と稽古をしたり、ディスカッションをする時間があったりして。そういう時間をとっていただいたことで、「お芝居ってそういうことか」とヒントをいただきましたし、自分のためになることばかりで、感謝しかないです。

だから、信頼を置いてお芝居に臨めていますし、いい関係を築けているのかな、と。監督と出会えたことで、今後の自分がどうなっていくのかが楽しみです。

──撮影が始まり1ヵ月ほどたっていますが、現場の雰囲気はいかがですか?

木村:和気あいあいとしてますよね。

ラウール:スタッフさんが現場をもりあげてくださっていて、皆さんのユーモラスな空気感に「ふふふ」って感じ。僕、一番笑っている自信があります(笑)。

木村:特に元気なカメラマンさんがいつもジョークを飛ばしてくださるんですよね(笑)。

ラウール:それは絶対聞き逃さないぞ、と決めています!