──愛実は教師、カヲルはホストです。それぞれご自身の役の職業に対してどんなイメージを持っていますか?
木村:私はまだ“怖い先生”がいた時代育ち。でも今は、その厳しさが許されないので、愛実自身もどうやって生徒と接していいか悩んでいると思います。
愛実を演じながら、生徒から一対一で真意をつくようなことを言われたとき、大人としてではなく、同じ目線でものを言ってあげられることがどれだけ大切かと実感していて。純粋に先生方はすごい大変だなと思っています。
愛実も含めて、そういう向き合い方を知らないまま教師になっている人も多いと思いますし、生徒と向き合いながら模索するのは、私にはハードルが高い。全ての先生を尊敬します。

ラウール:ホストは、僕のなかではあまり身近に感じにくい職業でした。ただ、それは僕がホストの世界を知らないからそう思っていただけで。
今回のドラマを制作する際に、助監督の皆さんが、何度かホストクラブに通って取材をしたそうなんです。お仕事でもありつつ、楽しかったらしいんですけど(笑)。そのときのインタビューやレポートを資料としてたくさんいただいて、どこかに「誰かを助けたい」という思いがあるのかなと感じて、少しだけホストという職業について知ることができました。
木村文乃&ラウール お互いが演じるキャラクターについて思うこと
──もしホストになるとしたら、接客などできそうですか?
ラウール:撮影現場には、飲み物の作り方とか、名刺の出し方とかを見てくださる現役のナンバー1ホストの方がいまして。その方の初回接客を見せていただいたときに、監督から「ちょっとやってみて」と急に言われて、スタッフさん相手に初回接客をやったんです。
「初めまして」「最近どう?」って、見よう見まねでやりましたけど…すごく下手でした(笑)。教えてくださったホストの方も苦笑いしていましたし、たぶん僕は、ホストの仕事はできないかな、と。
ただ、やればできる子ですから。あのときは僕も初回だったからできなかったけど、極めればできるかもしれないとも思ってます(笑)。
──ご自身がやってみたことで、ホストに対するイメージは変わりましたか?
ラウール:お客さんが楽しめて、ホストとwinwinの関係性であれば、面白い職業なのかもしれないと思いました。

──愛実とカヲル、お互いのキャラクターに対してどのような印象を持っていますか?
木村:私自身としては、カヲルを含めて「みんな嘘つきだな」と思っています。自分が嘘をつけないから周りの言葉を疑わないところが愛実の難点なので、カヲルと関わることで変わっていけたらいいなと思うんですけど。
ラウール:愛実は真面目なんだけど、真っすぐすぎて予期せぬ展開を引き起こしてしまう。その感じが、新しい脚本を読むたびに、ちょっと愛おしく思えて。きっと回を増すごとに、見てくださる皆さんも愛実が愛おしくなっていくと思います。
木村:そうならなかったら、私のせいです(笑)。頑張ります!
ラウール:でも、そうならないのもアリだなと思うんですよね。「なんでだよ!」ってツッコまれて終わってもいいかなって。
木村:確かに、それも愛実らしいかもしれない(笑)。