――“新感線らしさ”も感じられますか?

鈴木:新感線は、お客さまがそれぞれの劇団員さんに対して持っているイメージ、というものがあると思います。歌舞伎役者さんに抱く感覚と似ているかもしれません。それが『紅鬼物語』の台本でも、役柄に自然に乗っていると僕は思いました。

柚香:私もこれまで新感線さんの舞台を観てきて、俳優さんのちょっとした動きや声色から、そのキャラクターの役回りがとてもわかりやすく伝わってくると感じていました。

演出・いのうえひでのりさんは「3歩あるいて振り返る」など、とても細かく演出をつけられる方だと伺いましたが、その緻密な計算やバランスが、劇団の印象につながっているのだと思います。私もいのうえさんの頭の中に描かれているものをしっかりキャッチして、作品をつくっていきたいです。

――稽古では、いのうえさんによる恒例の“千本ノック”があるかも、とのことですが、具体的にどんな事をするのでしょう。

鈴木:僕はまだ受けたことがないのですが、同じセリフを何度も繰り返すような、集中的な稽古があると聞いたことがあります。それだけ重要なシーンなのだと思います。

あとは「罰ゲーム」があるというウワサも…。遅刻したり、台本を忘れたりするとポイントが貯まって、それがマックスになると罰ゲームが課せられるとか。マイルとは違います(笑)。罰ゲームと言っても「カーテンコールで何々をする」とか、お客さまに楽しんでいただけるような内容だそうです。いろいろな“伝統”があるようです(笑)。

稽古中にご飯を食べるor食べない?真逆のタイプと判明!

――2人は初共演ですが、お互いの印象はいかがですか?

柚香:ビジュアル撮影のときに初めてお目にかかりましたが、お優しそうな方だなと思いました。ご挨拶させていただいたときの空気感や表情がとても穏やかで、しみじみ、心に染みわたりました。

鈴木:僕は、最初はもっとパリッと、パキッとした性格なのかなと思っていましたが、そうではない部分も少しずつ見えてきて。柔らかく接してくださるので、一緒に作品をつくりながら楽しくお話しできそうだなと思っています。

柚香:「こんなやつか」と思う瞬間もたくさんあると思います。

鈴木:そうは思わない(笑)!

柚香:いっぱいあると思います(笑)。

鈴木:そんな一面があるんですか?

柚香:基本的に、そんなにパリッとしていないので…(苦笑)。

――お互い“稽古中の自分はこんな感じ”と、伝えておきたいことはありますか?

鈴木:よく「ご飯を食べているイメージがない」と言われます。

柚香:「ない」って言われるんですか!?私は「ご飯を食べているイメージしかない」って言われます(笑)。

鈴木:へぇ~!じゃあ、柚香さんが代わりに食べてくれている、と思うと安心しますね(笑)。僕、昔からずっと、家に帰ってからたくさん食べるタイプなんです。稽古の途中で食べると、集中しているはずなんですけど、途切れやすくなるというか…食べないほうが最後までしっかり集中できる気がします。

柚香:私はお腹が減ると、逆に集中力が切れてしまいます。

――稽古場でよく口にするものはありますか?

柚香:おにぎりです。

鈴木:しっかりお米を食べるんですね。

柚香:お米とお肉を食べますね。それと、数年前から、炭水化物よりもタンパク質を多く摂るようにしています。卵やブロッコリー、鶏のささみなど。

――鈴木さんは、帰宅後によく食べるものはありますか?

鈴木:まったくこだわりがないんですよ。数日間、同じものを食べても大丈夫です。

柚香:何を食べているんですか?

鈴木:なんだろう…パスタが好きです。

柚香:作るんですか?

鈴木:はい、作りますね。茹でるだけとか、レトルトパックを温めるだけとか、簡単にできるものをよく作ります。

穏やかでありながら、テンポ良くトークを繰り広げる柚香さんと鈴木さん。最近好きな物事を聞くと、鈴木さんは”ある分野”の動画視聴、柚香さんはお笑いを挙げ、ハマっているという芸人の名前が次々と飛び出しました。