――劇中に、“神”が登場するなど、独特の世界観がありますが、そういったエッセンスを反映しているところはありますか?
「全決」があるのが、神社の敷地内というのもありますし、捜査する事件も特殊ですし、神様や神話のような要素も出てくるので、そういった世界観から浮かない、神秘性を持たせたい、ということは考えました。
前半では、神秘性の部分はあまり明かされないので、その段階でのリアルとファンタジーの境界線…リアルに見えてファンタジーのニュアンスがある、ということは、かなり意識しました。
具体的なところでいうと、捜査ボードの裏に配置した丸い障子は、神社の祭壇などによくある丸い鏡をイメージして作りました。また、劇中ではあまり見えないかもしれませんが、捜査ボードの上にある柱を鳥居のような形にすることで、ちょっとした神秘性を表現しています。
荒波(ユースケ・サンタマリア)ら「ヒルコ専従班」のデスクに組まれたやぐらの意味
――ガラス製の捜査ボードのうしろに障子があるというのも特徴的です。
あのガラスボードは特注で、(警視庁捜査一課)「ヒルコ専従班」との違いも意識しました。向こうはよく目にするホワイトボード、「全決」はガラスにしたのですが、後ろが透けるのでどうすれば書いた文字が見やすくなるかなど、工夫しました。
――「ヒルコ専従班」のセットといえば、中にやぐらが組まれているのが気になりますが、あれは何か意味があるのでしょうか?
物語的な意味はなく、視覚的な効果を狙ったものです。デスクやキャビネットがあるだけだと、無機質で平面的になってしまうので、立体感と奥行きを出すためにやぐらを組んでスポットライトをつけました。脚には、捜査メモなんかをペタペタと付せんで貼ってもいいかな、なんて想定もしていました。
――今までたくさんのセットを手がけたなかで、『全決』はどんな作品になりましたか?
最近は、ホームドラマを担当することが続いたこともあって、なんか思いっきり違うことをやりたいと思っていたタイミングで、今回担当することになりました。
僕自身、SFやファンタジーが好きなのですが、最近はSF作品自体が少なくなっていて。そんななか、世界観を自分で読み解いて表現できる『全決』は担当していてすごく楽しかったです。みなさんにもドラマとともにセットも見ていただけたらうれしいです。
<宮川卓也 プロフィル>
2005年フジテレビ入社。これまでに手がけた主な番組…『silent』『PICU 小児集中治療室』『監察医 朝顔』『SUPER RICH』『問題のあるレストラン』『北京オリンピック』『選挙特番』ほか