――主演作となった本作全体の印象や、特に注目のシーンを教えてください。
タイトルを見ると「ファンタジー作品かな?」と感じる方が多いと思います。もちろん、 魔法が使えるのでファンタジー要素もありますが、この作品の一番のメッセージは「生きるとは、どういうことか」だと思います。
僕たち人間にとって大事なことを伝えたい、というメッセージを感じながら、撮影に臨んでいました。
でも、そういう重い話だけではなく、アキト、ハルヒ、ナツキ、ユキオの、幼なじみだからこその仲の良さも見どころです。魔法の使い道を4人で考える“魔法会議”のシーンは、クスッと笑えるところもあって、面白く仕上がっていると思います。アドリブも結構あります。
八木勇征「僕にとっては初めて」本読みで覚えた感覚
――魔法会議の場面は、4人の絶妙なかけ合いが印象的です。
このシーンは約8分と少し長いんですけれど、リハーサルを入念にして、最初から最後まで通して撮影しました。逆に、感情を大きく揺さぶられるようなシリアスなシーンは、たとえ長尺でもリハーサルをあまりせずに本番に入りました。
なぜかと言うと、最初に本読みをしたとき、みんな感情があふれ過ぎて、しばらくセリフを言えなかったり、泣いたりしてしまったから。
このときの感情を、新鮮なまま現場に持っていかないといけないと思ったので、僕はあまり台本を読み込まず本番に臨みました。
本読みでその感覚になったのは、僕にとっては初めてで。鈴木おさむさんの脚本に、ものすごい力があると感じました。
作品づくりでの貴重なエピソードを話してくれた八木さん。自身が演じたアキトの、あるところを「僕と似ているかもしれません」と話し…