目黒蓮はさまざまな俳優と対峙して「お芝居がどんどん進化」
――これまでの反響はいかがですか?
夏の時期は帰省やレジャーで家にいない人が多くて、しかも今年はオリンピックもあるから、ゆっくり落ち着いて見るドラマは秋冬に比べて難しいんじゃないかと思っていたんです。でも思いのほか、皆さんじっくりゆっくり見てくださっていて、おかげさまですごくいい手応えを感じています。
僕は当初、「暗くて重いドラマではないです」と皆さんに伝えていましたが、思った以上に「暗くて重い」という声をいただき、少し驚きもありました。
夏にとって自分の子ども(海)が生きていたというのは、まず事実として“命は消えていなかった”ということなので、希望的な捉え方をしてもらえるだろうと思っていたんです。でも、その裏側にあるものを皆さんが丁寧に想像してくださったからこそ、「暗くて重い」という意見が寄せられたのだと思います。
弥生にも妊娠した子を諦めた過去がありますが、第6話では弥生が産婦人科病院の共有ノートにメッセージを書き、それを読んだ水季は中絶をやめた…と、弥生の決断が海の誕生につながっていたことが明らかになりました。ここでようやく、皆さんに少し希望を持っていただけたのではないかな、と思います。
――目黒さんの繊細なお芝居が話題になっています。改めて感じた、目黒さんの魅力を教えてください。
ほかの作品で見せるカッコいい役や、Snow Manとして歌い踊る姿と、全然違いますよね。たぶん今、日本で一番キラキラしているはずの人が、夏という普通の人を自然に演じられるその振り幅、オーラの消し方がすごい。
『silent』で演じた佐倉想より、夏のほうがどこにでもいる人で、見ていてイラっとしたり、不安になったり、頼りない面があるからこそ、それを演じ切れていることのすごさを実感しています。
しかも目黒さんは、有村架純さん、古川琴音さん、池松壮亮さん、大竹しのぶさん…錚々(そうそう)たる俳優たちと対峙して、お芝居がどんどん進化しています。表情や目線、考える間(ま)、そういう表現力が圧倒的に広がっている。
池松さんもよく、目黒さんを「素晴らしい役者さん」と絶賛しています。池松さんと対峙しているときの目黒さんを見ていると、常に今まで見せたことのない表情をしています。回を追うごとに良くなっている。話数を重ねるたびに成長している気がします。
あとはやっぱり、泉谷星奈ちゃんと向き合っていることも大きいと思います。星奈ちゃんには大人の俳優さんには出せない良さがある。これもまた目黒さんにとって、いい刺激と経験になっていると思います。
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