子役・泉谷星奈を「プロだと思った」理由とは?

――泉谷さんの演技力にも大きな反響が寄せられています。『いちばんすきな花』(2023年)で深雪夜々(今田美桜)の幼少期を演じて話題になりましたが、泉谷さんの印象はいかがですか?

『いちばんすきな花』のときは、お芝居が上手なのはもちろん、大人たちの間に入っても臆さず堂々として、長丁場の撮影でも集中力を切らさずに待つことができて、その姿を見てプロだなと思っていました。

今回の海役はオーディションで決めましたが、やっぱり彼女は理解力も表現力も高かった。たとえばドラマ本編で言うなら、“お母さんが亡くなった”という演技をするとき、実際にお母さんが亡くなった経験があるかないかではなく、それをイメージできるかが重要。星奈ちゃんは、そういう想像力が豊かなのかもしれません。

一方で、シリアスなシーンで「はい、カット!」って聞いた瞬間にケラケラと笑っていたりして(笑)、そんな彼女の明るさにみんな救われています。みんな星奈ちゃんが大好きで、大竹さんは撮影の合間もずっと一緒にいますからね(笑)。

――有村さんら、ほかキャストの印象も聞かせてください。

有村さんは、弥生という本当に難しい役に、正面から向き合ってくれています。セリフの意味や感情について、僕や監督によく質問してくれて、じっくりディスカッションして自分のなかに落とし込んでから撮影に臨んでいて。

ともすると嫌われかねない役を絶妙なバランスで演じて、かつ、夏と2人でいるときの“恋する女の子”の可憐さも表現してくれて、素晴らしい俳優さんだと改めて感じました。ものすごく丁寧で真摯に取り組んでくださっています。

古川さんも、水季という不思議なキャラクターを、とにかく魅力的に見せてくれています。もし古川さんじゃなかったら…と考えても、もう想像がつかない。捉えどころがないけれど芯が強くて、 男女問わず翻弄されるあの魅力は、古川さんにしか出せないと思います。

そして大竹さんは…もう言うまでもなくすごいですよね。毎回、芝居に圧倒されています。ついさっきまで前室で大笑いしていたのに、カメラが回った瞬間、この表情出してきますか…という感じで。日本を代表する俳優さんである意味を、日々実感しています。