1人暮らしの高齢者は20年前の倍以上になり、将来に不安を抱く高齢者は増えています。
そうした中で今、終活サポートサービスが広がりを見せています。
街で“終活”について、話を聞いてみると、多くの世代から不安の声が上がります。
70代女性子どもなし:
自分がどうなるか分からないので、子どももいないし…。
50代女性子どもなし:
我が身を考えると、家族に頼れないところが…、すごく不安になってきています。
東京・足立区にある権利擁護センターには、問い合わせが相次いでいます。高齢者への「終活サポート」についてです。
権利擁護センター担当者:
今、お一人ぐらしで入所時の保証人がいないということと、あと亡くなった後の事が心配ということですかね…。
東京・武蔵野市では、人生の終わりに備え、家族らに書き遺すための「エンディングノート」を無料配布。
さらに、郵便局で今年2月に始まったのが、専用ダイヤルを設け、終活の相談内容に応じた事業者を紹介する、というサービスです。
足立区の終活サポートサービスに同行取材
「めざまし8」は足立区と連携している「終活サポート」サービスの職員に同行取材。
訪れたのは一人暮らしをする70代男性のお宅。この男性は今年1月に妻を亡くし、子どもも、頼れる親戚もいないといいます。
担当者:
今日は遺言書の下案の確認ですね。
70代男性:
自宅療養を23日間して、(妻は)亡くなったんですけど一人になったら何もしてもらえないというのがわかりましたので、なるべく足立区でやっている支援に面倒見てもらわないと、本当に死んでもそのままになっちゃうなということを感じました。
そんな男性が受けている終活サポートとは?
担当:
葬儀会社との契約はまだされていないんですよね?
70代男性:
まだしていないです。
担当:
こちらに一任ということでよろしいですか?
70代男性:
はい。
男性は死後の葬儀について、区民葬でお願いする旨を遺言書に記しました。
70代男性:
死んでからはわからないので、お任せします。要は墓に入れればそれで満足です…私。
このまま今の状態で明日倒れたとしたら私、救急車を呼んで運ばれても誰も病院で保証人になってくれる人も連絡先も何もないんですよ。早く契約して安心したいと、そういう気持ちです。
足立区では、親族から支援を受けられない高齢者と、事前に契約を締結。
支援が必要になった時、本人の代わりに担当者が、入院などの「保証人」になり死後の手続きを行うというサービスを全国に先駆けて行っています。
まず利用者は預託金52万円を預けます。すると、亡くなったあと、火葬や、家の整理にかかる費用など死後に必要なお金を、預けた52万円から支払い手続きしてくれるという仕組みです。
求めるものは「安心」。そのために、終活サポートを行うのは自治体以外にもありました。
火葬や埋葬をしてくれる終活サポートも…
NPO法人エンディングセンターが行う終活サポートサービスでは、利用者は生前にお墓の代金などを含む約70万円を預け、死後、スタッフが適切に火葬や埋葬などを行ってくれます。
NPO担当者:
会員の方のご遺骨をお預かり致しました
――これからどこへ向かわれる?
NPO担当者:
これから埋葬されるのでご遺骨を墓地の方にお運び致します
この日、埋葬された女性はご家族がおらず、一人で安らかにお墓に入りたいという強い願いから、生前に契約を結んでいたといいます。
NPO担当者:
埋葬だけは自分でできないということでご依頼いただくんですけど、それを家族の代わりとなって私たちが埋葬できれば…。
“墓友”とは?生前から交流する理由
また、一風変わった終活サービスも…。年配のマダムたちが集まってヨガをしています。
――知り合ったきっかけは?
女性:
お墓よ。私たちいわゆる今で言う“墓友”ってことになるんだけど
こちらで行われていたのは、将来、同じ墓地に埋葬される人たちが集まって活動する “墓友活動”。身寄りのない高齢者が増える中、知らない人同士が一緒に埋葬されるこのようなスタイルが今、人気だというのです。
しかし、同じ墓地に入るといっても、なぜわざわざ、生前から交流を深めるのでしょうか?
契約者の男性:
行く末が決まっていることでの安心感…、また、そこでお互いが率直に生死に関わることを自由に話し合える場っていうのはなかなか他では見当たらないですよね。
自分の死と生を共有できる同じ墓地に埋葬される人と、会話し、体験を共有することで、死への不安が軽くなるそうです。
(『めざまし8』 2024年8月20日放送より)
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