『ミステリと言う勿れ』最終話完全版
美術展を見終わった久能整(菅田将暉)は、東京へ帰る新幹線に乗車。弁当を食べようとした時、隣席に美樹谷紘子(関めぐみ)が座った。
なんとなく気恥ずかしい整は、早々に弁当を食べて寝てしまう。
うたた寝から目覚めた整がふと隣席を見ると、紘子が手紙を読んでいた。便箋を見た整は思わず「な、ご、や、に、は、く、る、な」と口にする。
驚く紘子に整は謝罪。だが、手紙にそんなことは書いていないため、紘子には意味がわからない。整は文章ではなく、イラストの頭文字を並び替えたのだと教える。すると、紘子は他の手紙も整に見せた。
紘子は、手紙は父からのものだと話す。両親を幼い頃に亡くした紘子は、亡き母の親友が引き取って育ててくれた。しかし、最近になり紘子は育ての母のクローゼットに古い手紙が隠してあるのを見つける。
それが今読んでいた手紙で、父が今の母に宛てたもの。今の母から両親は亡くなったと聞いていたが、父の手紙は紘子を返してほしいと訴えていた。
手紙に書いてあった住所に、紘子が手紙を出してみると返事が来た。結婚を控えた紘子は、父にバージンロードを一緒に歩いてほしいと頼むため、その住所に向かうところだと言う。
しかし、手紙のイラストは解くほどに危ういメッセージが連なる。
そんな2人の様子を見ながら徐々に席を移り近づいて来る人物がいた。ついに後ろの席まで来た時、整が声をかける。それはサキ(高畑淳子)という女性で紘子の育ての親だった。
整は、紘子とサキに2人で話をするよう促す。
サキは紘子の父が、産みの母にDVを繰り返していたことを教える。そして、紘子が生まれた時、父の暴力から逃すためにサキが預かり、産みの母は、紘子を守るために夫のもとに残った。そして、夫の監視を逃れるために絵手紙で、サキに情報を送り続けていた。
しかし、ある時、紘子の父は心不全で亡くなったとサキは言う。
すると、整が古い手紙と新しい手紙の筆跡が違うと口を挟む。
サキによると、夫が亡くなってから紘子の母は病んでしまい、自分で手紙を書き、絵を添えて出していたのだという。サキは、紘子に真実を伝えていなかったことを謝った。紘子も、何も知らずに父とバージンロードを歩いてもらおうとしていたことをサキに謝る。
そして紘子は、バージンロードはサキと産みの母の3人で歩きたいと告げた。
しかし、紘子には解けない絵が添えられた手紙があった。紘子は「ひろこしあわせで」と読めるが1文字、絵が合わない。
名古屋が近づき、紘子が先に席を立つと、整はサキに先ほどの絵手紙は「ふたりでころした」になるのではないかと尋ねる。サキと紘子の母が2人で父親を殺したのではないか、と。しかし、サキは、絵手紙はどうとでも読むことができると言い残し、紘子と2人で新幹線を降りた。
その頃、犬堂我路(永山瑛太)たちは、辻浩増(北村匠海)に襲われた風呂光聖子(伊藤沙莉)らを助け、辻から妹・愛珠(白石麻衣)の死の真相を聞いていた。
辻は、自分は羽喰玄斗(千原ジュニア)の子どもだと告げ、最後に父が犯したとされる女性と刑事を狙った犯罪が疑問だったと言う。
その頃、月岡桂(森岡龍)の工房に通っていた辻は、近くの別荘に事件で大怪我をした元刑事、霜鳥信次(相島一之)がいることを知った。霜鳥がいつも別荘の花壇を見ていることに気づいた辻が、掘り返してみると玄斗の遺体が現れた。
辻は、警察に何度も投書したが取り合ってもらえなかったため、父を真似して自ら殺害を始めたのだ。そうすることで、玄斗に再び脚光を浴びてもらいたかった、と。辻が初めて殺したのは母親。玄斗がいなくなったことで心を失くし、殺してくれと頼む母を殺したと言う。
そして、それを愛珠に話すと、自分も殺してほしいと頼まれたのだと話した。愛珠殺害の計画を立てて路線バスで呼び出したのだが、その前に愛珠が殺されてしまったと辻は悔しがる。
また、愛珠が鳴子巽というカウンセラーの元に通っていたことも我路たちに教えた。
辻によると愛珠は月岡と出会って、変わろうとしていた。持病があった愛珠は1人では生きていけない不安と、恐怖に押しつぶされそうだったのではないかと続けた辻は、全てを話したので解放しろと立とうとするが崩れてしまう。
約束が違うと不平を述べる辻に、我路は、無差別連続殺人は不愉快極まりないと突きつけた。
翌日、辻は埠頭で発見された。風呂光は、猫田朱美(松本若菜)の病室を見舞って報告。
取り調べを受ける辻は、玄斗の遺体を発見してくれと訴えるが取り合ってもらえない。そんな時、備前島操警部(船越英一郎)にすでに退職した刑事・牛田悟郎(小日向文世)から郵便物が届く。それは、羽喰玄斗事件の捜査メモと証拠のボールペンだった。
我路は、ハヤ(久保田悠来)、オトヤ(阿部亮平)と月岡を訪ねる。月岡は、愛珠を愛していたようだ。我路は愛珠にも幸せな時があったと月岡に感謝する。
月岡が愛珠のからくり箱を開けると、リングが入っていた。月岡は愛珠が先生にもらったと言っていたと話す。
辻もカウンセラーからリングをもらっていた。その辻のリングは、我路によって爆弾魔事件後に入院していた整のもとに送られた。
それから数ヵ月後、整の前に再び我路が姿を現した。我路は整の協力が必要なので、一緒に行こうと言う。
一体、どこへ行くのだろうか…。
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