盲導犬アリエル9歳と一緒に生きる、全盲のトロンボーン奏者の山岸加奈子さん。

小室瑛莉子アナウンサー、盲導犬・アリエル

小室瑛莉子アナウンサー:
しっぽが大きくて もうブンブン振ってます。

山岸さんになでられてうれしそうにしっぽを振るアリエル

うれしい時は、大きなしっぽを振るのが特徴のアリエル。
うれし過ぎると…♪バン!バン!バン!バン!バン!
棚に当たってもお構いなし。

アリエルと山岸さんはコンサートでは、一緒にステージに立っています。

山岸さん:
アリちゃんお出かけしようか。

家族になって8年。普段の様子に同行させてもらうと、盲導犬について知らないことや、社会的理解の不足が見えてきました。

意外と知らない“盲導犬の役割”

小室アナウンサー:
結構、速いですね。

山岸さん:
これでもゆったり歩いてるくらい。

アリエルは山岸さんの左前を必ず歩き、いち早く危険を知らせます。

小室アナウンサー:
あっ!障害物を避けましたね。

盲導犬の仕事は主に3つです。

①曲がり角で止まる

②障害物を避ける

③段差で止まる

山岸さん:
OK。GO(進んで)。

信号の判断や、進む方向は、ユーザーが指示を出します。盲導犬が目的地まで連れて行ってくれるわけではないんです。

 山岸さん:
私たちユーザーが頭の中で地図を描いて、協力して歩いています。

「人生を大きく広げてくれた」盲導犬との出会い

幼少期、弱視だった山岸さん。
徐々に視力が下がり、23歳で全盲になりました。盲導犬との生活を選んだ理由は?

山岸さん:
見えにくくなっている(大学生の)時に、電車とホームの間に足を落っこちてしまって…
それ以来1人で外出することが怖くなって引きこもりになった。
でも、その時に盲導犬ユーザーのホームページで「目が見えていたときと同じような速度で風を感じながら歩くことができるようになった」との文章を読んで、私も「これしかない!」と。

風を切って歩ける開放感、視力とともに失ったものを取り戻した山岸さん。
アリエルと一緒によく行くカフェに小室アナも一緒に行きました。

小室アナ:
ここが山岸さんの行きつけになるんですね。

山岸さん:
昔からよく来てます。

アリエルにとっても安心のこのカフェ。でも、こういった場所は多くはないといいます。

山岸さん:
犬はダメですとか…お客さん全員から許可をとらないとダメですとか…。

法律では飲食店など不特定多数が利用する施設では、補助犬の受け入れを拒否してはいけないと定められていますが、2020年の調査では盲導犬を利用する視覚障害者の半数以上が受け入れ拒否を経験しています。

山岸さん:
「このお店行ってみたい」と思うとまず頭に浮かぶのは、「盲導犬大丈夫かな?」って。そういうことがなくなったらいいなと思う。

社会的理解の不足から行きたい場所に行けない。それでもアリエルによって行動範囲は広がったといいます。

山岸さん:
今までは1人で遠出をするとか全然したことなかったし、する勇気もなかったけどアリエルとだったらできるかもしれないと思って。
名古屋まで1人で新幹線に乗って1泊して帰ってきたことがきっかけで、すごくアリエルに対する信頼感と、「もっといろんな場所に出かけていきたい」という気持ちになれた。
本当に私の人生を大きく広げてくれた。

二人三脚で8年間一緒に歩んできたアリエルと山岸さん。
あと2カ月で10歳を迎えるアリエルは、まもなく盲導犬を引退します。

アリエルと山岸さん 最後の演奏会へ

2月3日。アリエルと山岸さんは、一緒に出演する最後の演奏会へ。

スタッフ:
おはようございます

山岸さん:
おはようございます。最高のステージにできるように精いっぱい楽しみたい。

50回以上、出演してきたアリエルとのラストステージです。
山岸さんが、アリエルのしぐさで一番好きなのは、大きなしっぽを振って喜ぶところ。
その愛おしさから作曲したオリジナル曲を披露しました。

♪天使のしっぽ

山岸さん:
足下にアリエルがいることをすごく意識して演奏した。
アリエルによってすごく行動的になれた。アリエルが人の縁をたくさん作ってくれたし人生を変えてくれた。

感謝の思いを込め、演奏した山岸さん。
するとアリエルが!大きくしっぽを振りました。

演奏が終わると、山岸さんを見てしっぽを振るアリエル

山岸さん:
アリちゃんありがとう 今までありがとう。泣いちゃう…。

小室アナウンサー:
今後、盲導犬と一緒に生活する方にとってどんな世の中になってほしいですか?

山岸さん:
どこへ行っても、盲導犬も私たちと同じように受け入れてくれる世の中になってほしい。

(「めざまし8」2024年2月15日放送より)