オランダ商館長が来城。挨拶に商館長の母国語で返す家治に、商館長だけでなく家臣たちも感嘆する。
いよいよお知保による琴の披露。事前に弦を張り直せなかったお知保が意を決して琴にかかる布を取ると、別の琴にすり替わっていた。無事に演奏が終わると、家治は琴を見て視線を倫子に移したあと、お知保を褒める。
琴を倫子に返しに来たお知保は、礼を述べるつもりはないと言いながらも頭を下げた。
お品は、蔵で貞之助から将軍家の暗黙のしきたりなるものを聞き、倫子に伝える。それは公家出身の正室が将軍の子を成したことはないというものだった。
翌日、倫子は家治に暗黙のしきたりの真偽を問う。家治は将軍家を保つためで、倫子のためだと返した。家治の心はそれで良いのかと重ねる倫子。家治は「心など、とうに捨てた」と吐き捨てた。
お品は蔵で貞之助に会い、おそらく京に戻るだろうと伝える。倫子と一緒に帰ると言うお品は、貞之助に蔵の鍵を戻した。すると、貞之助はお品を抱きしめて…。
その夜、倫子とお品は手筈を整え、大奥からの脱出を試みる。
お品は荷車に倫子を隠して不浄門へ向かうが、松島に見つかってしまった。しかし、松島たちが荷を改めると、そこに倫子の姿はない。