2月27日から千葉県東方沖などを震源とする地震が相次ぎ発生。3月3日までの6日間で震度1以上を観測する地震は32回。3月2日未明には「最大震度4」の揺れを観測しました。政府の地震調査委は「震度5弱程度の揺れを感じるような地震が起きる可能性は高い」と注意喚起。相次ぐ地震の原因とされる「スロースリップ」とはどのような現象なのか、東京大学地震研究所の笠原順三名誉教授に聞きました。
政府の地震調査委「震度5弱程度の揺れを感じるような地震が起きる可能性は高い」

2月27日から千葉県東方沖などで相次いで発生している地震。この影響か、千葉県内の各地では「突っ張り棒」などの防災グッズや、水などの備蓄品が品薄状態になっていました。
相次ぐ地震を受け、政府の地震調査委員会は3月1日に臨時の会合を開きました。

地震調査委・平田直委員長:
震度5弱程度の揺れを感じるような地震が起きる可能性は高いと考えている。
なぜ今、千葉県で地震が相次いでいるのか。その理由は、「スロースリップ」と呼ばれる現象でした。
「スロースリップ」とは? 東京大学地震研究所・笠原順三名誉教授が解説
東京大学地震研究所・笠原順三名誉教授によると、「通常の地震」は引きずり込まれたプレートのひずみが限界に達したとき、瞬間的にプレートの境界が滑って大きな地震を引き起こしているのに対し…

「スロースリップ」は、地殻変動のようにゆっくりと数日間かけて地殻がズルズルと動く現象で、引きずり込まれたプレートの境界がゆっくりと滑っていくため、地震が頻繁に起きるといいます。
また、同じ震度でも「スロースリップ」が伴った地震の場合は地面が大きく揺れることがあるそうです。

「スロースリップ」は、千葉県東方沖で数年おきに観測されていて、直近の2018年には「スロースリップ」が確認されてから約1カ月後に千葉県で最大震度5弱を観測する強い地震が発生。電車が一時運転を見合わせたり、 マンションのエレベーターが停止するなどの影響が出ました。
東京大学地震研究所・笠原順三名誉教授:
過去の例ですと約1週間、長くて1カ月くらいで地震が起きたことがある。マグニチュード6、あるいはもうちょっと大きなものが起きる可能性もあります。
地震調査委員会も「震度5弱程度の強い揺れが起きるような地震活動が、数週間から数カ月続く可能性がある」としていて、注意を呼びかけています。
(『めざましテレビ』2024年3月4日 より)