ナレーション収録後、井手上漠さんに話を聞きました。早川さんの「ギブ&ギブ」という生き方に重ねて語った、人に与える喜び。そして、人にやさしくあるために自分の暮らしを整えることの大切さについても聞きました。
井手上漠「人に与える喜びは、自分の心にも返ってくる」
――後編では、早川さんの歩みがより深く描かれます。早川さんが大切にしている「ギブ&テイクではなく、ギブ&ギブ」という考え方を、井手上さんはどう受け止めましたか?
早川さんとまったく同じ意味かはわかりませんが、私にも「ギブ&ギブ」という考え方があります。
「テイク」は相手に求めるものではなく、自分が感じるものだと思うんです。たとえば植物に水をあげ続けたら、植物は育ちますよね。植物が何かを返してくれるわけではないけれど、大きくなった姿を見たら、こちらの心が温かくなる。その喜びが、私にとっての「テイク」なんです。
早川さんも、そういう喜びを感じているんじゃないかなと思いました。大変なことが起きていても、どこか落ち着いて見えるのは、その豊かさがあるからなのかもしれません。
(C)EISUKE
――井手上さんご自身は、人にやさしくあるために大切にしていることはありますか?
まずは、自分の生活を整えることだと思います。以前の私は、どんな友だちや仲間と付き合うかにはこだわっていたのに、自分自身の暮らしにはあまり目を向けていませんでした。
でも、たとえば寝具を整えてよく眠れた日は、気持ちよく一日を過ごせて、人にもやさしくなれる。自分の幸せを誰かに委ねるばかりではなく、自分で整えることも大切なんだと、ここ数年で気づきました。
――その変化には、きっかけがあったのでしょうか。
以前「他者を介在させた幸せは、すぐに期限が切れる」という趣旨の言葉を読んだ時に、当時の私は、自分の幸せにほかの人を介在させてばかりいたなと思って、少し悲しくなりました。
あの頃は理由がわからないまま、夜に孤独を感じることもあったのですが、その言葉を読んで、自分自身のために生活を整えてこなかったんだと気づいたんです。それから少しずつ、暮らしを見直すようになりました。
――一方で、人との関わりによって、ご自身を好きになれた経験もあるそうですね。
ずっと自分の地声にコンプレックスがあったんです。高校時代に毎日自分でボイストレーニングをして、今の高い声を身につけました。
芸能の仕事を始めてから声をほめていただくようになって、あの頃の努力があったから、今の声があるんだと、過去の自分を肯定できています。今回、また『ザ・ノンフィクション』の“語り”を任せていただけたのもうれしかったです。
自分の生活を整えることで得られる幸せもあれば、人と関わることで初めて気づける幸せもある。どちらも大切なんだと思います。
――後編の見どころを教えてください。
密着取材の面白さは、時間がたつにつれて、その人の本質的な部分が見えてくることだと思います。
冬馬さんの、人を放っておけないところ。早川さんが人に与えてきたやさしさ。そして、それぞれが抱える葛藤や挑戦。後編は、みなさんの人間味がさらに伝わってくると思うので、ぜひ見届けてほしいです。
――最後に、今プライベートでほしいものがあれば教えてください
母と姉と、家族3人で暮らせる家です。ずっと3人家族で育ってきたので、みんなで住める「ホーム」がほしいんです。緑の多い場所がいいですね。
<YouTube「フジテレビドキュメンタリー」では、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。10月11日(日)14時「~誰かと分かち合いたくて ~人生交わるレトロマーケット~ 後編」予告>
9月6日・13日放送「人生 最期までお付き合い」前後編(語り:尾野真千子さん):10月11日まで
9月20日・27日放送「母と息子のやさしいごはん3」前後編(語り:永作博美さん):10月25日まで
10月4日・11日放送「誰かと分かち合いたくて~人生交わるレトロマーケット~」前後編(語り:井手上漠さん):放送直後から11月15日まで
