――『室井慎次 生き続ける者』は、室井が命を落とすという衝撃のラストを迎えました。この作品がなければ、今作はなかったとも言えますか?

間違いなく、なかったですね。室井さんがいなくなったことが『N.E.W.』への起爆剤になっています。今作は、これまでのシリーズにいた人がいなくなったり、当たり前にあったものがなくなったりしている。その喪失の先に何があるのかを描いた作品だと思います。

『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』
​撮影メイキング

――『THE FINAL』以来14年ぶりに、本格的に青島を演じる織田さんの印象はいかがでしたか?

織田さん、いい感じで歳を重ねているなと思いました。僕、『踊る大捜査線』では、キャラクターを役者さん本人にできるだけ近づけて描いているんです。だから青島も、織田さんと同じように歳を重ねた感じにしたいなと思って、織田さんには髪を染めたりせずそのままにしてもらいました。

柳葉さん演じる室井さんもそうでしたが、その役者さんが生きてきたスタイルをキャラクターに引き継がせるほうが、フィクションのなかでも“嘘”にはならないんじゃないかなと。僕はそう思っています。

舞台がお台場ではなく「新宿」の理由は?タイトル映像にも注目!

――『踊る大捜査線』といえばお台場のイメージが強いですが、今作の舞台は新宿。別の街を選んだのはなぜでしょうか?

『踊る大捜査線』はリアルタイムの空気を表現していくのが特徴です。『THE FINAL』から14年、現実世界ではいろいろな状況が変わっているのに、『踊る』は何も変わっていないというのはあり得ない。それに、せっかくやるならゼロからのスタートがいいなと考えて。

だからオープニング映像も変えました。いつもなら空撮でお台場にガーッと降りていくんですけど、今回は降りずにレインボーブリッジを渡って、都心のほうへ行っちゃうんです。「今回は湾岸署じゃなくて、警視庁の話なんだ!」って、ワクワクしてもらえるかなと。これ、僕のなかでは結構ギャグだと思っています(笑)。

『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』
(C)2026フジテレビジョン BSフジ ビー・エー・シー

――ほかにも、今作ならではの試みはありますか?

それなりに歳を重ねた青島さんを笑いに変えていくのは、コメディの基本だなと思って。とにかく走らせて、面白いことをいっぱいやってもらう。さらに、これまでの作品に出てくださった俳優の皆さんにカメオ出演などで登場していただいて。おかげで、冒頭のシーンがとても面白いものになりました。

本広克行監督

『踊る大捜査線』のタイトルの出し方も、今回はこだわっています。通常はタイトルの俳優名とキャラクター名を順番に出していますが、今回はそれをやらずに、「『踊る』をもう一度やりますよ!」という思いを込めて、タイトルだけを力強く打ち出しました。

ちなみに、連続ドラマの最終話(1997年3月放送)もタイトルだけでした。青島が、捜査情報の入手元を疑われて監視下におかれることになり、怒りで机をバーン!と叩く。そこに合わせてドーン!と効果音が鳴ってタイトルが出る、という演出にしたんですが、我ながらカッコいいなと思っています(笑)。

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