※本記事は『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』のネタバレを含みます。

本広克行監督が、『踊る大捜査線 N.E.W.』誕生の舞台裏と、織田裕二さんとの29年を語りました。

現在公開中の、織田裕二さん主演映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』(以下『N.E.W.』)。1997年の連続ドラマ開始以来、数多くの熱狂的なファンを生み出し、日本中に“踊る”ブームを巻き起こした『踊る大捜査線』シリーズの最新作です。

(C)2026フジテレビジョン BSフジ ビー・エー・シー

『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012年)以来、約14年ぶりに主人公として戻ってきた青島俊作(織田)。警視庁の刑事部捜査第一課に着任しますが、誘拐事件の犯人から身代金の“運び屋”に指名され、事件解決のため東京の街を疾走。さらに、連続殺人や毒性ウイルス拡散の脅迫と、史上最悪クラスの難事件が次々と押し寄せ…。

めざましmediaは、シリーズ初期からメガホンをとる本広監督にインタビュー。今作が生まれるまでの経緯や、久々に青島を演じる織田さんの印象などについて聞きました(全3回の第1回)。

「僕にできることはないですか?」織田裕二の申し出で『室井慎次』そして『踊る大捜査線 N.E.W.』へ

――『N.E.W.』の構想はいつ、どういう経緯で生まれたのでしょうか?

2024年公開の『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』を作っていたころです。『生き続ける者』のラストで青島が登場しますが、初めは出ない予定だったんですよ。織田さんが「僕にできることはないですか?」と言ってくれて、「じゃあ最後に、青島が室井さん(柳葉敏郎)の家を訪ねてくるシーンを入れよう」となって。

その時に「次は青島の話ができるといいですね」という話をしたんですが、それはつまり『踊る大捜査線』をやるということですからね。そんなふうに決まりました。

『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』
(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

――室井慎次の物語を描いたことが、『N.E.W.』につながったのですね。

はい。ただ、僕はずっと、室井さんのような実直な生き方は悪くないけれど、室井さんの話を作るのは自分にはあまり向いていないなと思っていたんです。エンターテインメント性を持たせるのが難しいので。

でも2024年の二部作では、プロデューサーの亀山(千広)さんが、室井さんが里親になる話や、猟奇殺人犯・日向真奈美(小泉今日子)の娘である杏(福本莉子)がやってくる話など、いろいろな要素を足してくれて。

『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』
(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

そうすると、だんだん“未来”を感じるようになってくるんですね。「室井さんに育てられた子どもたちは、どう成長していくんだろう?」「杏は母・真奈美からの洗脳を解かれて、このまま室井さんの家で暮らしていくんだろうか?」って想像が膨らんでいく。

「子どもたちには警官になってほしいな。だったら、ムロイズムを持ったキャリア組として青島のところへ赴任して…」と考えるうちに、これは面白そうだなって。そうしたら俄然やる気が出てきました。初めは「なんで俺が撮るんだよ。君塚(良一)さんが撮ればいいじゃないか」って言っていたんですけどね(笑)。撮ってよかったです。