執筆の経緯と書き上げた手応えについて語ってくれたユースケさん。「笑って泣ける」と評判を呼んでいる独特の文体は、どのように生まれたのでしょうか?
「読書してきてないから言葉の引き出しがない」唯一無二の文体が生まれた理由
――エッセイは経験した出来事や思い出に対して、今のユースケさんの目線でのツッコミが入る妙味のある構成になっています。
そのときの気持ちと、それを受けた今の気持ちの違いというのは、書いて残したほうがいいのかなと思っていて。あと、僕はこれまで読書を全然してきていなくて。
――それも驚きです。
だから、きれいな表現とか文学的な表現とかはまったくできないので。この本を読み返したときに、やっぱり全然そういう表現がない。読書してきてないから言葉の引き出しがないので、ちょっと表現が「幼いな」と感じるところも正直あって。
でも、文学的な表現をしたとしても、それはそれでまた違うんやろうなというか。自分の言葉でいいんかなとか。本を出してからすごく考えました。
――まさに、ユースケさんがそのまましゃべっているような文体で、ユーモアと同時に温もりを感じます。読み返して、自分らしいなと思った部分はありますか?
すごく思い出に残ってる高校時代について書けたのは良かったです。強烈な思い出を吐き出せたので。そこは自分にしか書けないところだなと思います。
――自身を「ぬくぬく育ったただのヘタレ末っ子」と称し、ご家族の仲の良さがうかがい知れるエピソードも多々ありますが、ご家族について書くことは決めていましたか?
やっぱり自分が今まで生きてきた中で、「何を書くか」となったときに、自然と家族のことが出てきたというか感じですかね。
――笑って読んでいたら、ジーンとなり、気づいたらホロリとさせられます。ご家族が読んだらグッときてしまうのでは?
何も言われてないです(笑)。おそらく読んでるとは思うんですけど、僕がそういうの言われんの嫌やっていうの分かってると思うんで。でも、読んでくれた方からは「ホロッとしました」みたいなことはすごく言われます。
でも、泣かすつもりで書いてなかったんで、自分的には意外というか、「どこで泣くとこあるんやろ?」ぐらいの感じでしたね。
「イライラもするけれど、そう見られない」ダイアン・ユースケが愛される理由とは?
2000年にダイアンとしてデビューしたユースケさん。関西では人気を不動のものとしますが、芸歴18年目の2018年に活動拠点を東京に移し、全国区のブレイクを果たしたのは40歳を過ぎてから。自然体の姿が人気を博しています。
――メディアで見ない日がないほどの活躍ぶりです。自分のどういうところが「愛されている理由」だと感じていますか?
愛されてるとは全然思わないですけど、なんなんでしょうね。あんま焦ったりしないというか、例えば同期とか昔一緒にやってた人がバーッて売れていっても、「あ、やばい」とか「頑張らな」みたいなのが昔からなくて。そういうところも、ちょっとほわっとしてるように見られるというか。自然体に見えてる理由なのかなと。
意外とイライラもしますけど、多分そうは見られてないんやろうなみたいな。思ってもらってる僕の感じと、実際の僕自身にはズレがあると思ってます。
――最近「なんなん」と思ったことがあったら教えてください。
こないだラジオでも言ったんですけど、ちょっと前にキャンプに行って。高速降りて千葉に入ったぐらいでトイレしたくなって、コンビニに寄ったんです。そうしたら、トイレが使用中やって、しばらく待ってたらおじさんが出てきて。おっきいほうをしてはったんやなと思うんですけど。
そのあと僕はサッとおしっこして、コーヒー買って、車に戻って駐車場出るときに、そのおじさんがコンビニからアメリカンドッグを食べながら出てきはったんです。
ちょっと信じられないというか…だって「早いやろ」って。お腹痛くなったのか、もよおしたのか分かんないですけど、出先でコンビニに寄って用を足したばかりなのに、もう食べるんやっていう。
別に僕に迷惑かかってないけど、「早いやん」って。そのときひとりやったんすけど、車の中でそれ見たときに、「早いやろ」って言ってましたね。もうすでに2口ぐらいかじってはったんで。そういう僕が絶対にしないような他人の行動に対しては「なんなん?」と思いますね。
――まさに本に出てきそうなエピソードですね。ところで、来年50歳を迎えますが、今の自分は若い頃に描いていた50歳像に当てはまっていますか?
50歳の自分を想像もしてなかったので、理想像みたいなのは別にないんですけど、当てはまってないと思いますね。50歳なんてめちゃめちゃ大人じゃないですか。でも、自分はおっさんではあるけど、全然大人って感じでもない。60歳になってもこうやろうし、70歳になってもこうなんやろうなって。
――いつまでもそのままのユースケさんでいていただきたいです。最後に、めざましmediaは「好きでつながる」をテーマにしているメディアです。最近ユースケさんが好きなことを教えてください。
僕、同じドラマをずっと見るんすよ。今は『3年B組金八先生』の第2シリーズ(TBS/1980年~1981年)(※)をずっとつけてますね。数えられへんぐらい、めちゃくちゃ見てますし、もう見ずともつけてる。嫁が「またそれ?」って心配してますけど、BGMというか、ついてるとちょっと安心するので、ずっと『金八』つけてます。
(※)武田鉄矢さん演じる国語教師・坂本金八が主人公の伝説的なテレビ学園ドラマシリーズ。第2シリーズはシリーズ歴代最高視聴率を記録した。
撮影:河井彩美
<書籍概要>
『なんなん自分』(KADOKAWA)
著者:ユースケ(ダイアン)
